過熱する中学受験を回避したい、地元の小学校とは違う教育環境で過ごさせてあげたい……。これまで「専業主婦家庭のためのもの」と思われていた「小学校受験」に、共働き家庭が挑むケースが増えているといいます。とはいえ、いわゆる「お受験」は、本当に共働き家庭でもできるものなのでしょうか? 本特集では、 そもそも小学校受験をする必要があるのか、ないのか? を知るべく、小学校受験のメリット・デメリット、受験塾や入学後のお金事情、お受験の内容、共働き家庭にお勧めの私立・国立小学校について、専門家や経験者を徹底取材しました。

「入学してみたら合わなかった」のリスク

 2本目の記事小学校受験で非認知能力身に付けられるってホント?では、共働き家庭が小学校受験を選択するメリットを、お茶の水女子大学 基幹研究院人間科学系教授の浜野隆さんに聞きました。

 小学校受験をする場合に、どんなことが得られるのか、理解が深まったのではないでしょうか。しかし、物事にはメリットがあれば、デメリットもあるもの。両方を把握した上で、「わが家の正解」を探りたいですよね。今回は浜野さんに、小学校受験7つのデメリットを解説してもらいます。

 そのデメリットのうちの一つが「子どもへの心身の負担」。中学校受験に比べて、小学校受験の準備期間は短くて済むことをメリットとして紹介しましたが、その準備期間の約2年間は、子どもにも親にも大変になる場合が多いのです。志望校や方針にもよりますが、小学校受験をさせたいという親の意向や都合によって、幼い子どもの心身に大きな負担を掛ける可能性があることなどを、次ページから詳しく説明します。

■小学校受験のデメリット 次ページから読める内容
・子どもの人生のレールを親が敷くことのリスクとは?
・親子の心身、家計…実際にどれだけ負担がかかる?
・一番のデメリットは地元の地域社会から断絶される可能性
ほか