今、多様なジャンルで「持続可能」がキーワードになっています。ワーママの働き方でも同様です。コロナ下で在宅勤務が普及し、時短を取らなくてもフルタイムを維持しやすくなったことで、キャリアも育児も両方を追っていきたいと考えている人が増えています。一方で、仕事と家事・育児のメリハリがなくなっていると感じている人もいるでしょう。キャリアダウンはしたくない、仕事のやりがいや成長は諦めない。でも、睡眠時間や子どもとの触れ合いを犠牲にするなど、無理もしたくない……。

仕事を上手にコントロールし、長期的に仕事と育児を持続していく意識はますます必要になっていきます。この、持続可能な「エコドライブなキャリア=エコキャリ」実現のために、これからのワーママが身に付けるべき戦略をお伝えします。

 毎日仕事と育児で手いっぱいな状態のワーキングマザー。職場では無駄話をせずに仕事に没頭する、プライベートでも子どもの付き合いを優先して自分の友達に会うための時間をなかなか捻出できず、「人とつながるための時間をつくる」ことへの優先順位はどうしても低くなりがちです。

 しかし、持続可能な働き方「エコキャリ」を目指すのであれば、手いっぱいな状況の人こそ、意識してそうした「人とつながる時間や手間」を確保すべき、ということが言えるようです。

 その理由を、リクルートワークス研究所主任研究員の大嶋寧子さんは、次のように説明します。

 「仕事と育児のバランスを取り、生き生きと働くためには、『自分の成長ややりがいを感じる業務をすること』『職場で正当な評価を受けることができること』『自分で仕事の裁量を手にすることができていること』という、3つが大切です」

●仕事と育児のバランスを取るために不可欠な3つの条件
・自分の成長ややりがいを感じる業務をすること
・職場で正当な評価を受けることができること
・自分で仕事の裁量を手にすることができていること

 「いま、それらが欠けているようなら、上司や同僚に働きかけるといった行動を起こす必要があります。でも味方がいなくて、独りぼっちの状態では、状況を変えていくことは簡単ではありません。そのためのベースになるのが『つながり』なのです

 コロナ下で社会の不確実性が高まるなか、働くという観点でも、人とのつながりや関係性の質は非常に重要になっています。会社の同僚や組合、同じ職業同士の集まりなどを通じて互いのキャリアを応援しあう『共助』も大事です。会社、家族だけではないサードプレイスを意識してつくることもいいでしょう」

 実際に、「人とのつながり」が働き方や人生の幸福度の及ぼす影響は非常に大きいという調査結果も出てきています。その詳細や「つながり」を増やすと自由度が上がる理由、「つながり」を広げるために有効な4つのスモールステップを、次ページから具体的に解説してもらいます。

キーワードは「つながり」
●なぜ「つながり」は大事なのか
●「つながり」を広げるための4つのスモールステップ
●「ヨコ」と「タテ」の「つながり」