すぐ泣いたりわめいたりするのは自然なこと? それとも、打たれ弱い性格なのかも…? そんなふうに子のメンタルに不安を抱える場面はあるかもしれません。この先、子どもが何か困ったことにぶち当たっても壁を乗り越えていけるように、身に付けたいのは、強くてしなやかな心。そうした心を育てるために、子どもとの関わりの中で親ができることはあるでしょうか。専門家を取材しました。

「私が何とかしなければ」は悪循環の始まり

 不登校や行き渋りなど、子どものメンタルを心配するような出来事が続いたとき、そしてそれを親だけでは抱えきれなくなったとき、ふとよぎるのは、カウンセラーや精神科医などの専門家に相談してみようかという思い。しかし、心の問題を気軽に専門家に相談できる土壌ができている諸外国とは異なり、日本では一般的ではなく、人の目を気にしてしまい、後ろめたさや抵抗を覚える人が多いのも事実です。

 「受診しているところを知り合いに見られたらどうしよう」「私の子育ての仕方を批判されるかもしれない」「これくらいのことは私にもあったから、まだ大丈夫」など、さまざまな言い訳をしてしまい、専門家に助けを求めることを選択肢から外してしまう人もいるのではないでしょうか。

 ですが、子どものメンタルを専門にする松田病院(広島市)院長で精神科医の松田文雄さんは、「子どもの心のSOSサインを軽く見て、専門家のサポートを仰がず、親が何とか対処しようとしてしまうことで、悪循環となり、大人になって引きこもりになったり、うつ病を発症したりすることがある。『軽い症状のうちに相談する』ことを、ぜひ意識してほしい」と話します。

 では、具体的にはどの段階で専門家を頼っていいのでしょうか。また、専門家はどんなルートで見つけ、受診の際には何に気を付ければいいのでしょうか。もろもろの疑問を松田さんにぶつけてみました。次ページから具体的に解説してもらいます。

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