すぐ泣いたりわめいたりするのは自然なこと? それとも、打たれ弱い性格なのかも…? そんなふうに子のメンタルに不安を抱える場面はあるかもしれません。この先、子どもが何か困ったことにぶち当たっても壁を乗り越えていけるように、身に付けたいのは、強くてしなやかな心。そうした心を育てるために、子どもとの関わりの中で親ができることはあるでしょうか。専門家を取材しました。

 子どもにはいつも心身共に健やかであってほしいものですが、心が不安定になったり、嫌なことを引きずったりくよくよしたりすることもあるでしょう。

 日経DUALで子どものメンタルに関するアンケートを実施しました。(アンケートは2020年6月29日~7月20日、ウェブ上で実施。回答者数190人)

 子どものメンタルに関して「困った」と感じたエピソードについて聞くと同時に、悩みの対策として日ごろどのような取り組みをしているか、その効果(自身の感覚による5段階評価)を回答してもらいました。皆さん、声がけや話の聞き方などでさまざまな工夫をしているようです。

Q 「困った」エピソードと、そうした「困った」への日ごろからの対策を教えてください。効果についても5段階で評価してください。
【5:非常に効果があった/4:まあまあ効果があった/3:何ともいえない/2:あまり効果がなかった/1:まったく効果がなかった】

【未就学の子どもに関する悩み】

●保育園で先生に叱られたとき、とても落ち込み、保育園に行きたくないと言い出して、それが2週間ほど続いた(40歳/女性/子どもは年中)
→どんな対策をした?
肯定的な声がけ、注意するときはその場で分かりやすく、必要あれば保育園にも相談
→効果は?
4:まあまああった

●旅行や運動会などの前は、必ず38度台のしっかりとした熱を出す。緊張やワクワクに弱い。バイオリンの習い事の初回前にも、熱を出す状況です(36歳/女性/子どもは年中)
→どんな対策をした?
親子でその性質のことをネタにして、笑い飛ばす。旅行することは前日にしか伝えない(子ども自身も了承しています)
→効果は?
4:まあまああった

●人見知りというより場所見知り。保育園で新学年に進級した際なども、周りの友達や先生は変わらないのに、新しい教室というだけで緊張して固まってしまいます(32歳/女性/子どもは0歳と年中、悩みは年中の子どもに対して)
→どんな対策をした?
表情で判断し、緊張を解く声がけをしています
→効果は?
3:何ともいえない

叱られると戸外でも大声で泣き叫び、じだんだを踏み、「やだやだやだやだ」を繰り返して何も耳に入らない(36歳/女性/子どもは年少と年長、悩みは年長の子どもに対して)
→どんな対策をした?
叱るとき、問いかけ調にして気持ちを聞く、事前に約束、落ち着いたときに話をする等
→効果は?
2:あまりなかった

【小学生の子どもに関する悩み】

人と競争するのがとにかく嫌いです。保育園ではかけっこが1番だったのですが、小学校に入って周りに速い子が出てきました。頑張ろうという姿勢が一切なく、あっさり諦めてしまうので、よいような悪いような……(42歳/女性/子どもは年長と小2、悩みは小2の子どもに対して)
→どんな対策をした?
できたときは全力で褒め、うまくできなかったときは何も言わずに見守っています。競争心を持ってほしいのは親のエゴなので、押しつけないようにしています
→効果は?
4:まあまああった

●学校で嫌なことがあったり、運動会の練習等で疲れていたりすると、帰って来てきょうだいにストレスをぶつけたり、夜になって親子げんかになったりすることが多々あり、次の日はすぐに学校を休むと言い出す(37歳/女性/子どもは年長、小5、中1以上、悩みは小5と中1以上の子どもに対して)
→どんな対策をした?
以前は筋の通らないことに対して都度指摘していたが、それだとすぐに言い合いになるので、多少言い分が間違っていると思っても一度話を受け止めるようにした
→効果は?
3:何ともいえない

母親と一緒でなければ登校しない。別れ際に泣く(44歳/女性/子どもは小1)
→どんな対策をした?
先生との情報共有。親がうろたえずに笑顔で別れる。本人の気持ちを否定しない
→効果は?
3:何ともいえない

アドバイスと思って、何の気なしに言ったことでも、真面目に受け止め過ぎてしまい、すぐに涙が出てくる。相手が親でもコーチでも先生でも、誰にでもその傾向がある。こちらとしては、泣かせるようなつもりでもなく、怒っているわけでもなかったのだが……。どのように伝えたらすんなりと入るのか、自己肯定感が低いのか。長男だから、こちらも気になり過ぎてしまうところもある(36歳/女性/子どもは年中と小2、悩みは小2の子どもに対して)
→どんな対策をした?
「ダメ」といった否定的なことは言わないように気を付けているつもりだが、つい出てしまったりして、自信をなくさせているのかも。とにかく褒めるようにしているが、本人は喜ばず、「でもここができていない」などと反応する傾向がある
→効果は?
3:何ともいえない

回答者の属性
■男性/8.4%、女性/91.6%

■子どもの年齢(複数回答)
0歳/6.3%、1歳/10.0%、2歳/9.5%、年少/9.5%、年中/13.7%、年長/15.8%、小1/21.6%、小2/15.3%、小3/15.8%、小4/11.6%、小5/11.1%、小6/8.4%、中1以上/17.4%、その他/1.1%

■子どもの人数
0人/0.0%、1人/37.4%、2人/48.9%、3人/12.6%、4人以上/1.1%