不登校なんてうちには関係ない――そう思っているかもしれません。しかし文部科学省の調査によれば、不登校の小中学生は全国に18万人以上おり(2019年時点)、2013年から増え続けています。特に今年は長引くコロナ下で、子どもたちは知らず知らずのうちにストレスやつらさをため込んでいる可能性も。子どもが「行きたくない」と言い出したとき、忙しい共働き親はどう対応すればいいでしょうか。広がりつつある「学校以外での学びの選択肢」も含めてリポートします。

不登校、行き渋りの子、居場所の選択肢が増えている

 子どもが不登校となったり行き渋りを見せたりした時、在籍校に戻ることを考える一方で、他の居場所も検討する方も多いでしょう。小中高の不登校の増加に伴い、在籍している学校以外の居場所として、多様な選択肢が登場しています。民間のフリースクールを始め、NPOなどがつくっている学習の場やICT教材の普及によりホームスクールも実現しやすくなりました。

 岐阜市には2021年、草潤(そうじゅん)中学校が不登校のための公立中学校として開校し話題になりました(通学は岐阜市内から)。他県からも多くの視察を受けています。文部科学省が、不登校への公立の教育支援センターの設置を推奨していることからも、今後、公立校でも不登校の子どもたちへのサポートがさらに進んでいくでしょう。

 私学でも不登校や行き渋りの子どものサポートに取り組む動きが進んでいます。そこで、2020年に開所した神奈川私学修学支援センターに話を聞きました。私立受験を考えているけれど、不登校の心配も頭をよぎるという親には知っておくと安心な情報です。

 N中等部の教育内容もリポートします。教科学習に加えプログラミングなどの独自のカリキュラムを学べる同校を、主体的な学びの場として積極的に選ぶ家庭も増えています。どのように学力を身に付けるかや進路についても聞きました。

 最終ページでは、不登校新聞の編集長 石井志昂(しこう)さんが子どもの居場所を探す際の注意点を解説します。子どもに合った道を選ぶヒントにしてください。

次ページから詳しく紹介します!
●神奈川私学修学支援センターの取り組みをリポート
私立中高で不登校になった子どものサポートを行う

 元の学校に戻るか戻らないかの決定は先走らない方針。
 在籍校と連携し、各校のカリキュラムをサポートに生かす。
 翌年どう過ごすかは本人と保護者が決める。

●N中等部の学びをリポート
基礎教科もプログラミングなども学べ、主体性が育つ

 学校教育法第1条に定められた学校ではないので多様な学びが可能。
 「これをしたい」「これが好き」を持っている子に向いている。
 日誌やコーチング面接で学習状況をチェック。

●子どもの居場所を探す際に知っておきたい5つの注意点
 子どもをどこかへ所属させることを焦らない。
 情報提供は子どもが「知りたい」と言うまで待つ。
 どこに行くかは子どもの意思を大切に、他。