わが子が突然「今日は学校に行かない」と言ったらどうしますか? 子どものことが心配なのはもちろん、共働きの親には「仕事はどうしよう」という仕事の悩みもあります。そこで、子どものタイプ別対応策について不登校の専門家を取材しました。不登校体験者の思いや、夏休み明けに向けてのメッセージも発信します。

 今月『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』(文藝春秋)を出版した中川翔子さんは、中学時代にいじめによる「不登校」を経験しました。本特集の最後は、中川さんが不登校になるまでのエピソードや、大人たちに知っておいてもらいたいこと、型破りだけどいつも寄り添ってくれたという、お母さんとのエピソードについて語ってもらいました。

私立中学入学と同時に始まった、個性を認めない「いじめ」

 中学の頃、私はいじめによる「不登校」を経験しました。

「あしたも学校に行かなきゃならない」
「またあの子に会わなきゃならない」

 あの頃は、毎日がとてもつらくて、とにかく学校で過ごす時間が長く感じられました。私は、いじめられていることを、誰にも相談することができずにいました。

 私は昔から、漫画を読むことも、絵を描くことも、ゲームをすることも大好きでした。小学校までは、そうした私の「好きなこと」を、クラスメートたちは自然に受け入れてくれていましたし、みんなが仲良しで、分け隔てなく話したり遊んだりしてきました。

 そんな状況が一変したのは、私が、私立の中高一貫校に入学してからです。そこには露骨なまでの「スクールカースト」があり、入学直後からクラスの中には、ボスグループを頂点とする序列がはっきりと出来上がっていました。

 みんなと違うことは、個性ではなく「キモい」「空気が読めない」「変わっている」と言われてしまうのだと知るまでに、時間はかかりませんでした。

 その矛先が私にも向けられるようになると、絵を描いていることは、「オタク」「キモい」と言われるようになりました。それからは、人に見られないようにこっそりと家で絵を描くようにしていましたが、それでもボスグループからのいじめはエスカレート。ついには、クラスメートが誰も私に話しかけないよう、無言の圧力をかけるようになりました。