わが子が突然「今日は学校に行かない」と言ったらどうしますか? 子どものことが心配なのはもちろん、共働きの親には「仕事はどうしよう」という仕事の悩みもあります。そこで、子どものタイプ別対応策について不登校の専門家を取材しました。不登校体験者の思いや、夏休み明けに向けてのメッセージも発信します。

子どもの不登校は千差万別。一律の対応では改善できないケースも

 わが子が行き渋りや不登校になったら……。何より切実なのは、「どうすれば、また学校に行けるようになるの?」ということではないでしょうか。

 子育ての目的について、これまで1000人以上の不登校の子どもに復学支援をしてきた、一般社団法人家庭教育支援センター ペアレンツキャンプ代表理事の水野さんは、「子どもを自立させること」だと語ります。

 「子どもには生まれ持った個性があるので一概には言えませんが、不登校にはタイプがあると思います。親が自分自身の子育て傾向を知って対応を変えることで、復学できる子は少なくありません

 現在、スクールカウンセラーなどを含めた行政の支援による不登校からの復学率は28~30%ほど。第三者によるサポートがあってもなお「10人中7人は不登校のまま」という状況です。その理由を水野さんは、こう分析します。

 「『待つ対応』をとるべきではない子どもにまで、一律に『待つ対応』をとってきてしまったのかもしれません。行政による支援の多くは、『子どもが自ら動き出すまで、自宅では愛情深く接して待ちましょう』といった、『待つ対応』に終始する傾向があります。それで復学できる子どももいますが、本来、行き渋りや不登校でとるべき対応は、100人いれば100通り。一律の対応には限界があると思います」

 ペアレンツキャンプでは、復学支援の際に「子どもだけではなく家庭教育のあり方」について指導することも多いのだといいます。持って生まれた子どもの個性はもちろんありますが、子どもの不登校は、家庭教育のあり方にもかなり影響を受けているからだそうです。

 では、親が知っておくべき、行き渋りや不登校になりやすい家庭教育の傾向とはどのようなものでしょうか? 

次のページでは、全7タイプの「家庭教育のあり方」をご紹介します!