子どもが大人になったとき、幸せな人生を過ごしてほしいと誰もが願うでしょう。中でも「仕事」は人生を大きく左右する要素です。高い壁にぶつかったとき、大きな挫折を味わったとき、どうやって向き合い、乗り越えてきたのか。そんな“親の背中”を見せることが、子どもの仕事観を育むのではないでしょうか。ビジネスやスポーツの分野の最前線で活躍する親たちに、その紆余曲折や七転八倒の体験、そして「子どもに伝えたい仕事哲学」「確かに伝わった瞬間」について語ってもらいます。

 共働きのママやパパは、どうしても子どもと一緒にいられる時間が限られます。近年、共働きが主流になったとはいえ、「働いている間、子どもにさびしい思いをさせているのではないか」「もっと一緒にいる時間を作ったほうがいいのでは」などと、申し訳なさを感じている親は少なくありません。

 しかし、教育・心理関係の著書が100冊を超える、明治大学文学部の諸富祥彦教授は、「親が自分の仕事に誇りとやりがいを持ち、前向きに取り組んでいること自体は、子どもの仕事観を育む上で非常にいい影響がある」と話します。

 「子に伝える それでも、仕事が好き。」特集第5回は、共働きのママやパパが陥りがちな“思考の罠(わな)”について、Q&A方式でその対処法をご紹介します。

共働きママ・パパの「暗い悩み」

Q1 子どもに「仕事に行かないで」と言われると申し訳なさで心が苦しい。どうすればいい?

夫婦共働きなので、子どもと一緒にいる時間がなかなか取れません。そんな中、子どもから「おしごとに行かないで」と言われました。急に仕事を休むわけにはいかないし、もし休んだらズルズル甘えられる気もします。こんなとき、子どもには「何のために仕事をしているのか」を、きちんと説明すべきでしょうか。

A.言ってしまいがちな「働かないとごはんが食べられない」というセリフは言わないほうがいいでしょう。なぜなら…

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Q2 望んでできた子なのに、時々「子どもがいなければ…」と考えてしまい、自己嫌悪に陥ってしまう。

やっと授かった子どもなのに、「子どもがいなければ、もっと仕事ができるのに」「子どもがいなければ、もっとやりたいことができるのに」などと考えてしまうことがあります。さらに言うと、わが子なのにかわいいと思えないこともあるのです。なぜ、こんなふうに考えてしまうのでしょうか。自分が嫌で、落ち込んでいます。

A.自分の気持ちを否定してはいけません。むしろ、子どもがかわいいと思えないのは当然の感情であるともいえます。なぜなら…

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Q3 仕事と子育ての両立に疲れ果て、何もかも放棄してしまいたい気持ちになる。どうすればいい?

仕事と子育ての両立に疲れ果てました。「仕事も子育てもやめてしまいたい」「何もかも投げ出したい」。そんな気持ちになることがあります。自暴自棄になってしまったとき、どのように心を整えればいいのでしょうか。

A.そんな状態はもう「鬱」の手前にあるといっていいでしょう。体を病んだときは病院に行くように、心が病んだときも病院に行くべき。間違っても、「もっと頑張れるはず」と限界まで我慢してはいけません。なぜなら…

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Q4 毎日、子どもにイライラしてしまう。感情的にならないようにする方法は?

仕事や子育て、その他のストレスでイライラして、子どもに感情的に当たってしまうことがあり、そのたびに自己嫌悪に陥っています。どうしてもイライラが止まらないとき、子どもにどう接すればいいでしょうか。

A.そもそも人間はイライラしているとき、人に優しく接することはできません。まずはその場を離れて心を落ち着かせてください。イライラを短時間で鎮めるには、大きく3つの方法があります。それは…

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