今こそ注目 withコロナ時代、教育の選択肢
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「1人1台の端末整備」の実現を目指す文部科学省の「GIGAスクール構想」と、コロナ禍の休校を受けて、公立小学校・中学校のICT化が進んでいます。小・中学校でのICT教育はどうなっていくのでしょうか。また、中学受験に「プログラミング入試」が登場していますが、その狙いは何でしょうか。全国の自治体や学校にICT教育導入のサポートを行っている情報通信総合研究所 特別研究員の平井聡一郎さんに聞きました。
ICT教育の最先端事例としての熊本市
小学校が一斉休校となった3月からの3カ月間、紙のプリントに終始した学校がある一方で、休校直後からオンライン授業を実施し、子どもたちの学びを継続できた自治体もありました。
対応で突出していたのが、熊本市です。同市では、休校が始まった3月前半にオンライン授業を開始し、4月には市内の全小中学校で実施しました。背景には、2018年からの大規模なICT教育の取り組みがあります。18年に熊本市立の小中学校にNTTドコモのLTEを搭載したiPad導入をスタートし、19年には全92校の小学校、20年に全42校の中学校に、3人に1台の割合で整備を行っているのです。
ICT教育が進んだきっかけは、ICT環境を20年からの新学習指導要領の実施に間に合わせる、という大西⼀史市長の強いリーダーシップがありました。
熊本市教育センターの本田裕紀さんは、「新学習指導要領では『主体的・対話的な学びによる資質・能⼒の育成』の項⽬があり、ICTのより積極的な活⽤が必要となります。それに向けて18年度から礎作りを本格的にスタートし、その中心を教育ICT環境の整備としました。熊本市、熊本大学、熊本県立大学、ドコモと連携をして進めていきました」と話します。
同市を何度も訪れ、ICT教育の導入をサポートしてきた平井さんは「休校期間の取り組みが評価されていますが、私立のように『1人1台』の端末があったわけではありません。しかし、休校への対応が迅速で、かつ3人に1台でもLTE搭載のタブレットがあったことが大きかったのです」と話します。
「2月27日の安倍首相からの臨時休校要請があった週、ちょうど熊本市教育委員会のセミナーを行うため現地にいました。前々日に政府の『新型コロナウイルス感染症対策本部』などがあったことから、その後の休校が予想できたため、熊本市や教育委員会は対策の検討を始めました。26日には小学校で子どもたちが『Zoom』を使えるかのテストを行い、同日、市内の全小学校にZoomの使い方を解説したPDFなどを配布しました」(平井さん)
さらに教育委員会は、全家庭に自宅でオンライン授業ができるかを問うアンケートを行い、難しい場合はLTE搭載のiPadの貸し出しを行いました。オンライン授業を行うに当たっては、まずは授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」を使って、健康観察や先生との連絡を行うことからスタートし、その後、課題の提出やオンラインでの発表など、少しずつできることを増やしていきました。そうしたスモールステップでオンライン学習を進めたことも、全小中学校が実施できた理由のひとつでしょう。結果として熊本市の子どもたちは、休校中も先生やクラスの友達とつながり、学びを継続することができたのです。



熊本市では21年1月末までに「1人1台」使えるようにiPadを導入し、より主体的・対話的な授業を展開、子どもたちひとりひとりに添った学びの個別最適化にも取り組みます。また、先行事例として他の自治体の参考になるようにYouTubeでICT教育の授業実践動画を公開しています(注1)。
では、自分たちが住む自治体の小学校のICT教育が進んでいるのかどうかは、どのように判断をすればいいのでしょうか。家庭では子どもに対して何をすればいいのでしょうか。次ページから詳しく聞いていきます。また、「プログラミング入試」についても紹介します。
・自分の自治体のICT教育が進んでいるか、どうやって調べる?
・ICT活用に向けて家庭でできることは?
・入試の選択科目で「プログラミング」を選べる私立中学はどこ?
・プログラミング入試、その目的は?
次ページから読める内容
- 自分の自治体のICT教育、進んでる?どうやって進める?
- 中学受験で取り入れられる「プログラミング入試」の理由
続きは、日経DUAL有料会員の方がご覧いただけます
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