新型コロナ感染拡大に伴う長期休校で、学校教育の重要性を改めて実感する一方、急速に進んだICT教育によって「学び方の選択肢」に目を向けた家庭は多いでしょう。親のリモートワークが定着し、子どもの教育のために地方に移住するという可能性も現実的になりました。withコロナ時代の教育の選択肢を紹介します。

 コロナ禍で、多くの海外の語学学校がオンライン留学のコースを始めています。小学生を対象としたコースもあります。自宅に居ながらの海外留学は、実際にどのような形で進み、子どもはどうやって、何を学べるのでしょうか。英語でのオンライン留学を例に見てみましょう。

英語の授業のほかにアクテビティーも

 「このコロナ禍で『留学』の概念が変わりつつあります」と話すのは、留学ジャーナル事業企画部の横山健一さん。

 「留学は、飛行機に乗って海外へ行き、現地の教室で対面の授業を受けるというものでした。新型コロナによって渡航が難しくなったため、海外の語学学校での授業はオンラインに切り替わりつつあります。これは、実際に渡航するよりも広い選択肢の国々から選んで、家でオンライン留学できるということ。もちろん今の事態に、学校も業界も模索しながらではありますが、これからオンライン留学が新しい概念として広がっていくでしょう」

 国と国との間の往来が自由でなくなった状況では、この夏に短期留学を考えていた家庭も、将来的に留学を考えていた家庭も、計画が立てづらくなっています。現地に滞在する留学とは特徴もできることも違いますが、自宅で海外の語学レッスンが受けられるオンライン留学とはいったい、どのようなものなのでしょうか。

 下は、8~12歳を対象にした英語学校プログラムの、ある1日の時間割の例です。

EC Virtual Junior Summer Program/時間割例

1時間目

16:00~16:45(45分)

英語授業トピック&テーマ

<休憩10分>

2時間目

16:55~17:40(45分)

英語授業トピック&テーマ

<休憩10分>

アクティビティー

17:50~18:35(45分)

マンハッタンバーチャルウォーキング&クイズ


 この学校では、月曜~金曜まで毎日90分(45分×2セッション)の対面型オンライン英語レッスンと、45分間のバーチャルアクティビティーから授業が構成されます。レッスンは日本時間16:00~18:35にMicrosoft Teamsで行われ、1週間単位で最大3週間取ることができます。

 留学ジャーナルが当初、大学生や社会人を中心に準備したオンライン留学プログラムのホームページに対して、問い合わせが一番多かったのは中高生の親、その次が小学生の親だったといいます。「家からでも、子どもに少しでも良い環境で英語を学ばせたいと相談を受けることも増えました」(横山さん)

 同社マーケティング部の石澤京子さんは「近年、夏休みなど長期休暇のプログラムを含め、小中学生の海外留学は人気が高まっていたので、今年は行けずにがっかりしている人も多いと思います。だからこそ、実際に行ける時期までに英語力を付け、準備する時期に使ってみてはいかがでしょうか」とアドバイスします。

 次のページから、具体的にオンライン留学ではどのようにレッスンが進むのか、受講に当たっての注意点、今から申し込めるオンライン留学先などを紹介します。

米国の「FLS International」のオンライン留学の様子(提供/留学ジャーナル)
米国の「FLS International」のオンライン留学の様子(提供/留学ジャーナル)