物事が変化し続け、不確実性が高まるばかりの社会において、「何を軸に子育てすればいいのか」と迷っている人は少なくありません。しかし、そんな中でも、それぞれの分野で新しい境地を切り開き、活躍しているリーダーたちは、確固たるポリシーを持ち、「ぶれない子育て」を実践しています。金融・生命科学・教育・医学などの分野で活躍する5人の女性リーダーに、子育てで大事にしていることや、キャリアとのバランスなどについて聞きました。世の中がどう変わろうとも道を切り開いていけるタフな子どもを育てるヒントが、きっと見つかるはずです。

女性リーダーに学ぶ 新しい子育て

学力は基礎知識として大事。だけど、もっと大切なことがある

 元・ゴールドマン・サックス証券 副会長兼チーフ日本株ストラテジストのキャシー松井さん。「ウーマノミクス」という言葉の生みの親であり、今年に入って、女性3人の共同創業で総額1億5000万ドル(約165億円)というベンチャーキャピタルファンド、MPower Partners Fund L.P.を設立しました。ヘルスケア/ウェルネス、フィンテック、次世代の働き方といった社会的課題を解決する国内外のスタートアップを投資対象とする新ファンドは、ESG(環境・社会・企業統治)を投資先企業の成長戦略に組み込むことで世界にインパクトを与える規模にまで拡大させることを目的としており、注目を集めています。

 松井さんは、奈良県から移り住んだ米カリフォルニア州サリナスで、苦労の末に、蘭(らん)栽培で大成功し、「蘭の帝王」としても知られた、故アンディ・マツイさんの次女として生まれました。幼い頃は決して裕福ではなく、教育にお金をかけてもらえたわけではない環境の中で、自身も、ほかの3人のきょうだいも全員がハーバード大学に進学しました。しかし、そうした学歴を持ちながらも、ドイツ人の夫との間に生まれた息子と娘に対しては、親が理想とする学歴や進路を押し付けず、子どもたち自身に進む道を決めさせ、それを親として応援するという姿勢を貫いてきたといいます。今、息子は24歳で社会人、娘は21歳の大学生で、どちらも父親の母国である、ドイツのベルリンに在住しています。

 「学力は基礎知識として大事。だけど、もっと大切なことがある」と話す松井さんは、どのような考え方のもと、どんな子育てを心掛けてきたのでしょうか。子育てが一段落した今だからこそ言えることは何でしょうか。リアルタイムで仕事と子育てに奮闘中のDUAL読者に向けたアドバイスとともに、詳しく聞きました。

■キャシー松井さんの子育て 次ページから読める内容
Q 子どもたちが小さい頃から親子で繰り返し行ってきたボランティア活動と、その活動を通じて子どもたちに繰り返し伝えてきたこととは?
Q マツイ家の家訓である「チャレンジ」精神を受け継いだ子どもたちが高校から進んだ特殊な学校とはどんなところ?
Q 息子の小学生時代、算数の成績が振るわなかった時期に塾に行かせることを「我慢した」理由と、その結果は?
Q 松井さんが考える、学力などの基礎知識よりももっと大切なこととは?
Q 親は子どもに、友人を大切にすることを教えるべきと考える理由は?
Q 自分の人生に責任を持つ子どもを育てるために、親がすべきこととは?
Q 多忙で幼かった子どもたちにさみしい思いをさせてきたという罪悪感はあるが、娘が大きくなってから松井さんにかけてくれた言葉によって救われた面も。その言葉とは?
金融界で常に新しい境地を切り開き、チャレンジをし続けているキャシー松井さんが子育てで心掛けてきたこととは?
金融界で常に新しい境地を切り開き、チャレンジをし続けているキャシー松井さんが子育てで心掛けてきたこととは?

次ページから読める内容

  • 実際に経験したことは子どもの心に残る
  • チャレンジし続ける松井さんの背中を見て子どもたちが選んだ進路とは
  • 自分で決断したことには自分で責任を取らせるために
  • 成績不振な時期も息子のペースを尊重。「我慢して待った」結果…
  • 子どもには友人を大切にすることを教えるべきと考える理由は

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