生活の中で触れる文書は多様化し、デジタル空間にも広がり、「読解力」の定義や教育方法は、どんどん変わっています。子どもたちは、どのような「読解力」を伸ばせば、これからの世の中で豊かに学び、働き、生きることができるのでしょうか。AI時代に必要な力や、幼児から家庭で取り組める習慣、読解力重視の傾向が強まる中学入試に備えるヒントなど、読解力について多角的に迫ります。

「読解力がある人は仕事もできると思う」

 「読解力」と聞くと、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。イメージするものは人によって異なれども、子どもにぜひ身に付けてほしい力だと思っている人は多いでしょう。日経DUALのアンケート(2020年5月27日~6月8日に実施。メルマガ会員のうち289人が回答)でも、「あなたは、子どもに読解力を身に付けてほしいと思いますか」という問いに、98.6%が「はい」と答えました(いいえ0.7%、分からない0.7%)

 「なぜ、そう思いますか?」という問いに対して、回答が多かったのは、下記の項目です。読解力を「教養」や「仕事の能力」と結びつけて考える人は多く、「国語の成績をよくするため」よりも、「国語以外の科目の成績をよくするため」のほうが順位は上でした。

 自由回答では、下記のような意見がありました。

物事の本質を捉えられるようになってほしいと願っており、その根底となる力の一つとして読解力が必要だと考えているため」(35歳/女性/子どもは年中と小1)
「読解力は想像力や判断力、コミュニケーション力など、さまざまな力を伸ばしてくれるから」(50歳/女性/子どもは中1以上)
正しい理解が最適な判断につながり人生を豊かにするから」(41歳/男性/子どもは小3と小5)
「正しく情報を理解することが民主主義社会で生きるために必要だと思うから」(37歳/女性/子どもは0歳、年少、小1)
「豊かな人生を送るために必要だと感じているため」(42歳/男性/子どもは小1と小4)

 また、外国語を勉強するための土台になるとの意見も。「日本語の読解に限らず、将来外国語を学習する際にも大切なので」(50歳/男性/子どもは小4と中1以上)。

 国語という一教科にとどまらず、「生きる力」「働く力」「コミュニケーション力」など多様な力の土台となる根幹的な能力として、読解力を捉えている人は多いようです。

読解力を伸ばすため、家庭でしていること

 読解力を伸ばすために、家で取り組んでいることがあるか聞いてみました。

n=289 端数調整のため合計は99.9%
n=289 端数調整のため合計は99.9%

 どんなことをしているのでしょうか。具体的な内容についても聞いてみました。

回答者の概要

■子どもの年齢(複数回答)
0歳/5.2%、1歳/5.2%、2歳/6.6%、年少/8.0%、年中/11.4%、年長/12.5%、小1/15.6%、小2/18.3%、小3/15.2%、小4/16.3%、小5/14.2%、小6/8.7%、中1以上/20.1%、その他/2.8%

■子どもの人数
1人/43.9%、2人/44.3%、3人/9.0%、4人以上/2.8%、0人/0.0%