6年生になって中学受験に参戦するケースも

 中学受験に関する「方向転換」で圧倒的に多いのは、「途中でやめる」ケースです。しかし、反対に、これまで公立中学に進学するつもりでいたけれども、友人関係など、さまざまな理由から、5年生や6年生になってから、中学受験に参戦するケースもあるでしょう。ほかの受験生よりも準備期間が短いなか、何を、どのように進めればいいのでしょうか。

 特集4本目「本番4カ月前で受験参戦決め合格への道」では、実際に子どもが小6の2学期になって受験を決めたマンガ家の細川貂々さんに、急きょ中学受験に向かった理由や勉強方法、親の不安をどのように解消したかを聞きました。「大変でも4カ月間だから走り抜く覚悟ができた」という駆け込み受験ならではの実体験をぜひ参考にして下さい。

 駆け込み受験であっても、志望校を選ぶ際にはつい偏差値や東大合格者という数字が気になるかもしれません。しかし、中学受験事情に詳しい鳥居りんこさんは、他に優先すべきことがあるといいます。それはどのようなことなのでしょうか。特集5本目「小6で受験をすると決めたら親がすべきは」で、短期間での学習方法と合わせて詳しく紹介します。

 そして、特集6本目では、中学受験界隈で話題の小説『金の角持つ子どもたち』で、小6になって受験を決めた少年のストーリーを描いた作家の藤岡陽子さんに、自分自身と2人の子どもの中学受験・高校受験の経験を通して見えた、「中学受験の本当の意義」について語ってもらいます。

 前述のとおり、中学受験は「別にしなくてもいい受験」です。その受験をどうとらえ、親子でどう向き合うべきか。中学受験からの直前撤退&途中から参戦といった「方向転換」の可能性がある人もそうでない人も、そもそも中学受験の予定がない人も、ぜひお読み下さい。子どもの進路における「わが家“軸”」を立てる上でのヒントが、きっと見つかるはずです。

文/羽田 光(日経xwomanDUAL) イメージ写真/PIXTA