もうすぐ、待ちに待った夏休み! コロナ禍で旅行の計画が立てにくく、「まだ何の予定もない」という家庭も少なくないでしょう。それでも充実した思い出の夏にするために、ぜひ提案したいのが、短期の習い事&個別指導や近場の自然体験などを通じて「〇〇ができるようになった!」という達成感を味わわせてあげること。数日~数週間で達成感を味わえたら、親子にとって自信になるはず。遠出できなくても、この夏を楽しく、有効に過ごすための「楽しい・近い・短い」習い事や体験を紹介します(東京都に緊急事態宣言が再び発令されました。状況に応じて、密にならない場所や時間帯を選ぶなどして感染対策に留意しましょう)。

読書は知的発達と心の成長に影響

 コロナ下で迎える2度目の夏。旅行や遠出の計画を立てにくい夏に力を入れたい体験の一つとして、「子どもに読書体験を積ませる」ことを考えている親もいることでしょう。心理学者で『読書をする子は〇〇がすごい』(日経BP)などの著者がある榎本博明さんによれば、読書には、「読解力や語彙力が身に付く」「想像力が養われ、発想が豊かになる」などさまざまなメリットがあるといいます。

 「近年、子どもの学力低下が問題視されていますが、中でも小学校高学年以降になると『学力の二極化』が進み、そこには読解力が強く関係しているとみられます。読解力がないと、国語だけでなく、数学の文章題でも何を問われているかが分からず、学力が伸びない。そうなってからでは遅いので、未就学児のうちから読書習慣を付け、語彙力や読解力を養っておくことが重要なのです」

 読書は心の成長にも好影響を及ぼすと榎本さんはいいます。

 「子どもの世界は、家庭や学校(保育園・幼稚園)という身近な場所にいる人たちとの関わりが中心ですが、幼児期にはまだ他人の視点から物事を見ることが十分にできません。

 ですが、絵本や児童文学、エッセーを読むことで、著者や登場人物のさまざまな生き方や考え方、感受性、価値観に触れ、視野が広がります。相手の立場に立って物事を考え、気持ちを想像するなど、他の人のことが理解できるようになります。このプロセスは、低学年の心の発達はもちろん、思春期以降の自己探求や親離れにも大切です。また、こうした知的発達は学力の向上にも好影響を及ぼします

 しかし、子どもを読書好きにすることが難しいと感じている親も少なくありません。未就学児の親からは「読み聞かせをしても集中して聞いてくれない」、小学生の親からは「ゲームや漫画に夢中で、子どもが本に興味を示してくれない」といった悩みが聞こえてきます。

 榎本さんは、「子どもを読書好きにするには、『家庭の環境づくり』と『親の関わり方』が重要」だと指摘します。しかし、子どもが夏休みであっても、仕事に追われる共働きの親は、「子どもと一緒に読書を楽しむ」時間はなかなかとりづらいもの。そんな中、いったいどうすれば、本が苦手な子どもを読書に導くことができるのでしょうか。次のページから、「子どもに本に親しんでもらうための親の関わり」について、以下の5つのお悩み別に、13のコツを紹介します。

こんなお悩みへの13のヒントを、次のページから紹介します!

お悩み1 どうしたら子どもが自分から本を手に取りますか?
お悩み2 「本を読みなさい」と言っても、子どもは知らんぷり
お悩み3 子どもに好きな本を選ばせると、漫画ばかりに…
お悩み4 読み聞かせをしても子どもが興味を示さない!
お悩み5 小学生の読書感想文、前向きに取り組んでもらうには?