子育て中は、仕事に家事・育児に毎日大忙しで、職場と自宅の往復だけになりがちです。それに加えて、コロナ下でリモートワークが普及したことで、人に会う機会はさらに限られています。新たな人脈を築いたり、世界を知ったりする刺激やチャンスが減ると、視野が狭まり仕事もマンネリ化、キャリアも停滞気味になってしまうけど、どうすればいいのか分からない……と悩む人は多いのではないでしょうか。そこで、本特集では、そんな閉塞感を打破し、仕事に余白をつくるためのヒントを紹介します。

期待に応えなければ評価が下がるリスクがあるのは当たり前

 仕事にうまく区切りがつけられず、早朝や夜中など、子育ての合間を縫ってエンドレスで仕事をしてしまう、なんてことはありませんか? その原因の一つに、子育て真っ最中で時間がないからこそ、「職場にいろいろと迷惑をかけている分、少なくとも上司の期待には全力で応えなければ」という気持ちが強すぎることが挙げられるかもしれません。

 ですが、そうしたマインドは、少し見直す必要がありそうです。「上司の期待に安易に応えるのは危険。期待に応えるのは気持ち5割くらいでいい」と言い切るのは、元ラグビーU-20(20歳以下)日本代表ヘッドコーチで、現在は組織変革のコンサルタントとして活動する中竹竜二さんです。

 上司の期待への応え方を見直せば、仕事の区切りが付けやすくなり、仕事や生活に余白が生まれたり、仕事の幅が広がったりなど、好循環につながる可能性があるのだそう。

 とはいえ、上司の期待に100%応えなければ、評価が下がってしまうのではないかと不安になる人は少なくないかもしれません。それに対して中竹さんは、「期待に応えなければ評価が下がるリスクがあるのは当たり前ですが、将来的なキャリアを考えると、直近でいい評価を勝ち取るよりも大事なことが多い」と中竹さんは言います。そして、「期待に全力では応えない」というスタンスを貫くために、知っておくべき「期待に応える、応えないの線引き」やメンタルの保ち方のコツがあるのだそう。詳しく聞いていきましょう。

【この記事で読める内容】
・中竹さん自身が、ヘッドコーチ時代に上司の期待に応えなかった理由は
・「目の前の評価が下がるリスク」にどう対応?
・「期待に全力では応えない」と決めたらすべき心の準備とは?
・期待に応えると決めたら、「気が進まないこと」にも前向きに取り組もう。その際に使える「累積戦略」とは