- (1)マイペース幼児親の憂鬱 小1の行き渋り防ぐには
- (2)そもそも不登校は何が問題? 論点と長期リスク整理
- (3)「行き渋ったら休ませる」方針貫き息子は東大に進学
- (4)「今日は学校に行きたくない」とわが子に言われたら ←今回はココ
- (5)不登校 本当の理由を話してくれたのは1年後だった
子どもは「行きたくない理由」を自覚できない
子どもから「学校に行きたくない」と言われると、親は「何か学校で嫌なことがあったのでは」「友達や先生とうまくいってないのでは」と、理由を探そうとしがちです。ところが子ども本人に聞いても「なんとなく学校が嫌だ」「分からないけど、今日は行きたくない」など、はっきりしないケースも多いもの。
「子どもが、学校に行きたくない理由を自覚できないことはとても多いのです。本人も学校に行きたい気持ちはあるのに、体がなぜかいうことを聞かずに困り果てています。そんな子に対し、『どうして行けないのか』『どうしたら行けるようになるのか』と詰め寄るのは酷です」
そう話すのは、小児神経専門医として不登校の子どもの外来診療にあたってきた加藤善一郎さんです。加藤さんは、岐阜県にある不登校の中学生のための特例校、岐阜市立草潤中学校の「こころの校医」も務めています。
「大人でも、何か病気になってしまったときに、『なぜ病気になったのか』『どうすれば治ると思う?』と詰め寄られたら困りますよね。まずは、子ども自身が一番困り果てているという状況を、大人が理解してあげましょう。そして、子どもが学校に行き渋り、『今日は休みたい』と言ったら、『そうなんだね、分かったよ』と、子どもの気持ちに寄り添って休ませてあげるといいですね」。加藤さんはこのように話します。
とはいえ、親は、理由が分からないままに、学校を休ませることに罪悪感を抱いたり、休みグセがつくかもと心配したり、学校の勉強が遅れてしまうのではと不安を感じたりしてしまうもの。そうした「悟り」の境地にはなかなかたどりつけないかもしれません。親が本心から子どもの気持ちに寄り添い、困り果てているわが子をしっかりサポートしてあげるためには、どのように考えていけばいいのでしょうか。
●「休んでもいいよ」と「許可」するのはNG
●学校の先生からの頻繁な連絡は断ってもいい
●休んでいる間の過ごし方 「やらせてはいけない」ことは
●長期で休む子どもにかけてはいけないNGワード