読者はこうする!家庭教育の実例

 実験教室並みの本格的な家庭教育から、エレベーターのボタンを利用した手軽なものまで、幅広い実例が集まりました。忙しい共働き親が、普段の生活や外出の時間を上手に使って、子どもに算数や理科の楽しさを伝える様子が分かります。

【どんな遊びや活動で(子どもと)算数や理科を楽しんでいますか】

●身近なものからの学び
幼児期はエレベーターのボタンやテレビのチャンネルで数字の概念を教え、幼稚園では、手遊びなどで繰り上がりなどを教えた。中学校に入ってからは、科学雑誌を毎月購入している(50歳/理系出身/その他製造/生産・製造/二人の中1以上のママ)
・お菓子パン作り (計量、分量を倍量にする、状態の変化を知る、パン生地の重さを均等に分ける)。お買い物ごっこで金額設定をして計算をする(37歳/文系出身/飲食店・宿泊/接客/年長と小5のママ)
・お風呂に入っている時に、子どもが水をくんで遊んでいて、水がたっぷり入ると盛り上がることを発見したら、表面張力のことを教える。お風呂でおもちゃを沈めると、浮かんでくることを楽しんでいれば、浮力のことを教える(40歳/理系出身/食品、医薬、化粧品/企画・調査・マーケティング/0歳、2歳、小1のママ)
社会で人口密度が出てきたので、数字を新型コロナウイルスの「3密」とあわせて考え、どんなところがうつりやすいかを考えた(44歳/文系出身/教育・教育学習支援関係/専門職・教育関連/小1と小4のママ)
・日常的に月や金星を見る。ありなどの昆虫を見たら、脚がどのようについているのかを一緒に観察する。雲の状態や風向きを外で感じたら、翌朝テレビの天気図を一緒に見て、あの風は海から吹いてきたんだねと地球規模で想像する。自分の体も、擦り傷や骨折がどの細胞の連携プレーで治るかを伝える。その時は興味がなくても、種まきと思って、体験のチャンスがあれば説明する(50歳/理系出身/食品、医薬、化粧品/研究開発/小4と二人の中1以上のママ)

●おでかけや外遊びからの学び
・子どもと虫取りをする、土を掘って土や砂の違いを考える。電車で体の傾きがなぜ起こるかを考える、太陽の向きや影の向きから地球が丸いことを伝える、冷凍庫で氷を作り時間ごとの経過を観察する(38歳/理系出身/その他製造/営業・販売/年中と小3のママ)
遊具を使ってテコなどを体験させる(例えばシーソーで親を持ち上げるにはどうしたらよいかクイズにして子どもが思いついたことを全部やってみる)(49歳/文系・理系どちらも経験/医療/一般事務/二人の中1以上のママ)
・県立博物館を週末の遊び場として利用している。星座盤で空の星座探しをしている。花や虫を見つけたら図鑑で同じものを探す習慣をつけている。興味を持ったゾーンは時間をかけて、帰ったら疑問に思ったところをネットで検索して一緒に学んでいる(41歳/文系出身/放送・広告・出版・マスコミ/編集・編成・制作/年中と小5のママ)

 特集の2回目以降は、子どもの興味を引き出し理系思考を育む具体的な方法を紹介。幼児期に楽しめる理科遊びや、中学受験に役立つ実験遊びも紹介しますのでどうぞご期待ください!

文/飯島圭太郎(日経DUAL編集部) イメージカット/PIXTA