日々「時間との戦い」で、常に「焦って」いるような気がしてしまう……。そう感じている働くママ・パパは多いはず。焦りには、「仕事が終わらない」「子どもを寝かせなきゃ」といった毎日の仕事や育児家事が原因となるものもあれば、自分のキャリアや子どもの教育などへの不安からくる長期的なものもあります。焦っても仕方がないと頭では分かっていてもつい焦ってしまう。両立生活につきまとう「焦り」の正体と、その解決法について、専門家などに取材しました。明日から焦らない毎日を送るためのヒントが満載です。

仕事の「焦り」 3つの「正体」とは

 「『子どもが突然熱を出すかも』といった不安感から、緊急時に備えるつもりで、常に前倒しで仕事をしている」「焦りながら働いていて疲弊感しかない」「いつも時間と戦っている」――。仕事と育児を両立しているママ・パパが抱えがちな悩みです。

 「焦ってしまう気持ちはよく分かります」。そう話すのは、朝を活用する「朝活」を提唱し、個人や企業の働き方改革、生産性向上の仕組みを構築している朝イチ業務改革コンサルタントの池田千恵さんです。池田さんは、5歳の息子を育てるママでもあります。

 「私自身、今でこそ落ち着きましたが、仕事と育児のリズムが整うまでは苦労しました。また、朝の時間を活用しようにも、子どもも早朝に起きてしまう、といった悩みにも直面しました」

 さらに、コロナ下で増加したリモートワークが焦りに拍車をかける要因になっていると池田さんは指摘します。「仕事をする上で、いつも焦っている、ドキドキしている、という声が増えた実感はあります。ほかの人の進捗が分かりづらくて不安になる、雑談で得ていた細かな情報が実は安心材料につながっていたが、その機会が減った、仕事とプライベートのメリハリがつけづらくなっていつも焦っている、などの声はよく聞こえてきます」

 働き方の環境が変化する中、「いつも焦って仕事している人」と「焦らず仕事できる人」が二極化し、差が開いている可能性があると、池田さん。「いつも焦って仕事している人は、目に付いた仕事から手を着け、達成感を得られず、疲弊感しかないのに仕事はなかなか終えられないという悪循環に陥りがち。結果的に、仕事の成果や、長い目で見たキャリアの差になって表れると考えられます」

 この2つのタイプの人の決定的な違いは「俯瞰(ふかん)力」だと池田さんは言います。俯瞰力を伸ばすための具体的なツールや、池田さん自身が心がけているノウハウ、「あるある例」に対するアドバイスなどを詳しく紹介します。

仕事の「焦り」 あるある例 【1】「スキマ時間があれば常に仕事を前倒し」でずっと疲弊している 【2】「切りがいいところまでやろう」と焦り、結果的に長時間働くことに 【3】常に手を動かしていないと、さぼっているような気分になり、気ばかり焦ってしまう 池田さんのアドバイスは? 詳しくは次ページから