コロナショックによる経済混乱の中、家計も引き締めムードになっているのではないでしょうか。今後の先行きが不透明で、「教育費も見直していくべきかもしれない」と考えている方は多いかもしれません。とはいえ、子どもの可能性は狭めたくなく、教育のクオリティーは上げていきたいところです。「ローコスト」と「ハイクオリティー」を両立させるための方法や勘所を探っていきます。

自粛で注目されたオンライン習い事は共働き特有の悩みにも有効

 共働き家庭にとって、子どもの習い事は大きなテーマです。「可能性を伸ばしてあげたい、子どもが興味のあることはすべて習わせてあげたい」と思うものの、子どもにかけられる時間には限りがあり、送り迎えの時間が取れない、週末が習い事で潰れてしまうといった壁が立ちはだかり、通わせてあげられないこともあるでしょう。子どもとの相性や親の方針にぴったりの教室や先生を見つけるのも一苦労です。

 習い事の数が増えてくると月謝が家計の負担になってきますが、金銭的なコストに加え、時間やメンタル面の負担も、習い事のコストと言えるでしょう。こうしたコストを低減させる一助として注目されているのがオンライン習い事です。

 注目されるきっかけとなったのは新型コロナウイルスによる外出自粛生活でした。語学や音楽などさまざまなジャンルの、17000件近いマンツーマンレッスンを提供するオンライン習い事サイト「カフェトーク」によると、学校がコロナ休校に入った3~4月から子どもの習い事に関する親からの問い合わせが急増したのだそう。特に多かった問い合わせはピアノとヨガ・ワークアウト系で、「4月から対面でピアノを習う予定だったが、レッスンが休講になったのでオンラインで習わせたい」「休校中の運動不足解消のために、ダンスやヨガで体を動かす機会を作りたい」という問い合わせが多数でした。

 「子ども向けのカテゴリーとしてカウントしているこども英会話・そろばん・こども音楽レッスン・家庭教師の受講者は、全体の24%でした。前年度は19%だったので、5%増えています。他にもダンスやピアノ、バイオリンなどの受講生にも子どもがいます。休校中に問い合わせが急増したことも合わせると、子どもに習い事をさせたい保護者が、自宅でオンライン受講を始めたのでしょう」(カフェトーク広報・鏡 冴恵さん)

 子どもの習い事やアクティビティーを検索できるプラットフォームサイト「スクルー」の代表取締役、犬塚 亮さんも「緊急事態宣言後にオンラインで受けられるレッスンが増加した」と話します。「スクルーに登録している教室に調査したところ、約7割が既にオンラインを取り入れたか、開始する準備を進めていることが分かりました。オフラインでレッスンを提供していた講師が、コロナ自粛でもレッスンを継続するためにオンラインに切り替えたことが背景としてあるでしょう。オンラインレッスンを取り入れるきっかけは緊急対策だったかもしれませんが、今後は選択肢の一つとして定着していくのでは」と予想しています。

 オンラインレッスンは、運営側のコストが抑えられるため、受講料が低めに設定されている傾向があります。通える範囲の教室は授業料が高額なため通わせることを諦めていた人も、オンラインなら幅広い選択肢の中から納得のいく価格の教室を選べるので、コストを下げることができるでしょう。また、対面の習い事はグループレッスンのものも多いですが、オンラインレッスンはマンツーマンが中心です。オフラインだと授業料が高額なことが多いマンツーマンレッスンを、比較的リーズナブルな価格で受けられるのも注目のポイントでしょう。

 コロナ以降の新しい暮らし方に移行していく中で、子どもの習い事もオンラインで受けるというスタイルが広がっていくのは間違いないでしょう。オンラインレッスンのメリットや、どのような習い事ができるのか、準備すること、受講効果を高めるための注意点を次ページから聞いていきましょう。