中学受験、「偏差値次第」ではコストが膨張

 中学受験をする家庭では、6年生の1年間で塾代や模試代、受験料など年間100万円以上かかるのが一般的ですが、「家庭の方針次第で過剰な出費を減らすことができます」と竹下さんはアドバイスします。

 コストの面からも竹下さんが注意を促すのが、「志望校を偏差値次第としないこと」。

 「模擬テストを受けるたびに偏差値が変動することはよくあります。そのたびに志望校を変更すると、対策に余分なお金がかかってしまいます。受ける学校は偏差値次第とするのではなく、『絶対に行きたい』と思う学校を絞り込んで目標ありきにし、そこに向けてとことん頑張るほうが、結果がどうあれ、学びの質は高まるはず。併願校も、その学校と似た出題傾向の学校からしか選ばないと決めれば、全体のコストは下がります」

 そもそも中学受験をするかどうかを決める前に、塾代や私立の学費が「家計から出せるか」慎重に検証する必要があると竹下さん。

 「高校は、原則として世帯年収が910万円以下なら4月からは無償化され、私立に進学する場合も年収590万円未満の世帯の支援が手厚くなったので、学費負担は随分軽くなりました。そのため、最も家計に負担がかかりやすいのが、中学への進学時です。特に私立に進学する場合は、中学3年間でかかる学費の総額を把握して、『それが家計から出せるか』を検討してみてください。受験のためにかかる塾や模擬テストなどの金額も同様です。小学校4年生、5年生、6年生と学年が上がるにつれて夏期講習や冬期講習、特別講習など金額も上がっていくので、塾や先輩ママに確認して、しっかり把握しておきましょう。貯蓄からではなく、家計から出せるか、というところが大事なポイント。子どもの大学進学に向けてためておいたお金を、中学で先取りして使ってはいけません

 実際に、私立中への進学で教育費が膨らみ、家計が回らなくなって公立に転校する人もいます。子どもにとっては大きな挫折体験になってしまいます。コロナによる経済の縮小が避けられない今、私立中への進学を検討する場合は、しっかり確認することが不可欠です」

 まだ子どもが小さい場合は、私立中学の学費として、大学の学費とは別に事前にためておくことも可能ですが、「そのためにも、余計な習い事などを見極め、家計をスリム化していく必要があります。今回の外出自粛期間中に、以前から続けてきた習い事を見直したとき、『実は通わなくてもよかった』と感じるものがあったかもしれません。これを機会に、余計な習い事は整理していきましょう。もし続けていくとしても、『どこまでいったらやめる』という期限を、子どもとよく話し合った上で設定することをおすすめします」

ローコスト&ハイクオリティー教育
竹下さん’sアドバイス

●中学受験するなら、行きたい学校の絞り込みを。コストも下がり、より深い学びが得られる
●私立中学への進学を検討するなら、学費が家計から出せるか慎重に検討を

教育費にも「予算」を決めて守る意識を

 予算の考え方を教育費に当てはめることも大切、と竹下さんは強調します。

 「仕事を持つママやパパなら、プロジェクト全体の目的と予算から逆算して、いつ、どの項目にどれだけ支出するか、あらかじめ計画を立てることが得意なはず。教育費もそうした視点で、上手に配分することを考えてみてください」

 いつの間にか教育費がかさんでいくのは、塾や習い事の先生などからさまざまなオプションを提案されると断りにくい、といった心理が働くことも大きいようです。それでも、予算という考え方がしっかりあると、「要・不要」の判断がつきやすく、子どもにも説明しやすいかもしれません。

ローコスト&ハイクオリティー教育
竹下さん’sアドバイス

●予算を決めておけば、教育費も聖域でなくなり、「要・不要」の判断がつきやすい