竹下さんの自宅で、子どもたちが高学年の頃にトイレに張り出していた教育費一覧表の内容を参考に、編集部で作成
竹下さんの自宅で、子どもたちが高学年の頃にトイレに張り出していた教育費一覧表の内容を参考に、編集部で作成

 「子どもって、親がお金持ちだと思い込みがちなんですよね。『親はたくさんお金を稼いでいるのに、自分たちの小遣いがこれしかないのはずるい』といった発想を抱きがちです。

 でも、家計について子どもとも情報を共有し、家賃や住宅ローン返済、教育費などにどれだけお金がかかっているのかを丁寧に伝えていけば、『自分がもらっているお小遣いは1500円だけだけど、実際には自分には塾代や習い事代で月8万円も使ってくれているんだ』などと状況が理解でき、大切にされていることを実感できるのではないでしょうか」

 竹下さんの家庭では、教育費の情報を共有するようになったことで、習い事などに対する子どもたちの意識にも、変化が生まれたといいます。

習い事の「やめ時」を子ども自身が判断

 習い事は、親が「子どもの可能性を広げてあげたい」と、いつの間にか増えてしまいがち。また、「途中で投げ出してほしくない」「ここまで続けてきたのだから、もう少し頑張らせたい」「次の発表会(または級の合格)まで、せっかくだから続けさせたい」などと、「やめ時」を逃してしまいがちです。ですが、竹下さんの家庭では、子どもたち自身が「かかっている金額」と「そこから得られている対価」(費用対効果)、そして「本人の続けたい気持ちの度合い」の3つの要素を総合して考えるようになり、「クロールができるようになったから、水泳はもういい」「ピアノは楽しいけど、その道に進むつもりはない。ある程度弾けるようになったから、そろそろ終わってもいい」などと「やめ時」を決めるようになりました。

 逆に、「続ける」と決めた塾や習い事については、「これは頑張る」と、これまで以上に頑張るようになったと言います。「中高生になると反抗期で親と話す機会が減りますから、小さいうちからじっくり話し合う習慣を持てたことはよかったと思います」(竹下さん)

 自分自身で判断軸を持ち、「今、やるべきことと、やらなくてもいいこと」を取捨選択しながら育った二人の子どもは、現在大学1年生と大学4年生。「上の子は考古学に関心があり、大学院への進学を目指して勉強しています。下の子は数学に興味を持ち、現在、応用数学を学んでいます。二人とも自分がやりたいことが明確なのは、今、何を学ぶべきかを常に自分で考え、判断する経験を積んできたからだと感じています」

ローコスト&ハイクオリティー教育
竹下さん’sアドバイス

●教育費の情報を共有すれば、子ども自身もやるべきことの取捨選択をするようになり、「自分で決めたことはムダにしないように頑張ろう」という意識が芽生えやすい