独自の指標で「共働き子育てしやすい企業ランキング2020」を発表。上位企業とその施策を紹介します。特集の後半では、急速に働き方の多様化が進まざるを得なくなってきたなかで、私たちが「共働き子育て」をする意義とは何か、企業はどう対応していくのかなど、これからの働き方を考えていきます。

 日経DUAL「共働き子育てしやすい企業ランキング2020」で1位に輝いた日本生命保険。どういった施策を進めてきたのでしょうか。詳しく紹介します。

<日本生命保険>
設立/1889年 本社/大阪府大阪市
日本で三番目に古い保険会社で、保有契約高は1899年から現在に至るまで業界首位を維持している。戦後は相互会社に変更。業界をリードする企業。

環境整備で子育て中の女性職員のキャリア志向高まる

 昨年の4位から、今年は1位となった日本生命保険は、7万3260名の従業員の約9割を女性が占めています。もともと女性が多いため、仕事と子育ての両立支援策は早い時期から整っていましたが、「⼥性が多い会社でありながらも、管理職登用比率は決して高くなく、女性職員たちにキャリアアップの意識がなかなか育っていかないことが課題でした」と人材開発部 輝き推進室 室長 宇田優香さんは言います。

 管理職や男性職員の意識を変えるなどの職場の風土改革や、女性職員の中長期キャリア形成のための取り組みを経て、近年は女性管理職が増加傾向にあります。2015年度と2020年度を比べると、部長相当職の女性も増えています。「未就学児を持つ女性職員は数が増えている状況にありながらも、短時間勤務者が2015年から2019年の5年間で約5%減少。フレックス勤務制度をはじめ、家庭と両立しながらチャレンジし続けられる環境整備が進んだことで、子育て中の女性職員にキャリア志向の高まりが見られるようになった」と宇田さんは言います。さらに、男性育休取得率は、100%を何年も連続で達成しています。

 どのような取り組みがこれらの成果につながったのか、次のページから詳しく紹介します。