女性のキャリアとライフスタイルを応援する女性誌『日経WOMAN』(日経BP)と日本経済新聞社グループを挙げて女性の社会参画を応援する活動である「日経ウーマノミクス・プロジェクト」は2022年版「女性が活躍する会社BEST100」をまとめました。本記事では、その部門賞として、DUAL独自の指標で集計した「共働き子育てしやすい企業ランキング2022」を発表。今年4月から取得推進が義務化された男性育休への取り組み状況や、男女ともに子育てしながら働きやすい施策の有無などに着目し、独自評価しました。

 コロナ下での在宅勤務の普及はDUAL世代の働き方を大きく変えました。在宅勤務を制度として定着させた企業もあれば、出社を前提とした働き方に戻そうとする企業もあり、現在はアフターコロナの働き方を各社が模索している段階です。

 「共働き子育てしやすい企業ランキング2022」のアドバイザーである、育休後コンサルタントの山口理栄さんに、これからの「共働き子育てしやすい企業」に求められる制度や、福利厚生面での取り組みについて聞きました。

「在宅勤務によって両立が格段にしやすくなった」の声が多数

 育休後コンサルタントとして、さまざまな企業のDUAL世代の社員の声を聞く機会も多いという山口さん。「在宅勤務ができるようになって子育てとの両立がコロナ前よりもしやすくなった」という声が、男女を問わず多かったといいます。

 「仕事に子育てに忙しいDUAL世代にとって、通勤で余計なエネルギーを奪われずにすみ、日中も勤務の合間にちょっとした家事を済ませることができたり、学校から帰ってきた子どもを出迎えたりできる在宅勤務はメリットの多い働き方。自由度の高い働き方を認めてもらえることで、『子育てが落ち着いたら、今まで以上に会社に貢献したい』と、モチベーションアップにもつながります

 リモート会議では同僚のプライベートが垣間見えることもあり、誰もがそれぞれの生活を抱えながら働いているという認識がしやすくなった一面もあると言います。「DUAL世代にとっては、自分のプライベートの事情をある程度オープンにしながら、持続可能な働き方を選択していくきっかけになった」と山口さんは分析します。

 2022年の「共働き子育てしやすい企業ランキング」で上位に入った企業においては、在宅勤務制度をはじめ、働き方の自由度が高まっている傾向がみられました。しかし、一般的には、コロナ下で認められていた在宅勤務が出社に切り替えられるケースも少なくありません。

 アフターコロナに向けて働き方が過渡期を迎えている今、企業側・社員側はそれぞれ、どのような視点で今後の働き方を考えていけばよいのでしょうか

<次のページからの内容>
●在宅勤務ができない職種の社員に対して企業がすべきことは?
●社員は「在宅勤務をさせてほしい」と会社にどう交渉する?
●企業が「優秀な人材から選ばれる」ために必要な施策は?
●育休の取り方の多様化に伴って求められるサービスとは?