働く女性のキャリアとライフスタイルを応援する女性誌『日経WOMAN』と日本経済新聞社グループの「日経ウーマノミクス・プロジェクト」は2021年版「女性が活躍する会社BEST100」をまとめました。今回はその部門賞として、DUAL独自の指標で集計した「共働き子育てしやすい企業ランキング」を発表。特集では、上位企業とその施策を紹介します。

 「共働き子育てしやすい企業ランキング2021」でアフラック生命保険と共に同率3位にランクインしたアクセンチュア。2015年より働き方改革を進め、テレワークはコロナ下以前から全社展開していました。女性管理職比率や男性育休取得率の上昇を実現しているインクルージョン&ダイバーシティの施策や、コロナ禍での子育て中の社員に対するサポートなどを紹介します。

<アクセンチュア>
設立/1995年(Accenture Japan Ltd) 本社/東京都港区
世界51カ国200都市以上に拠点を置くコンサルティング会社。「ストラテジー&コンサルティング」「インタラクティブ」「テクノロジー」「オペレーションズ」の4つの領域でサービスとソリューションを提供している。

残業を大幅削減した「Project PRIDE」

 かつては、ハードワークの常態化という課題を抱えていたアクセンチュアは、2015年より働き方改革「Project PRIDE」を開始し、「制度」と「意識」の両輪での組織風土改革に取り組んできました。 “目指す姿”を全社で共有し、経営層のみならず本部長全員がリーダーとしてコミットしながら、残業適用ルールの厳格化や18時以降の会議の原則禁止などの働き方の見直しを進めました。

 同時に、定時退社や有休取得を奨励する発信をくり返すなどして、社内文化・風土の変革にも取り組んできたといいます。その結果、社員1人あたりの残業時間は1日平均で約1時間にまで減少。離職率は「Project PRIDE」開始前と比較すると半減して1桁台となり、女性社員比率は22.1%から35.5%へと上昇しました(2021年3月現在)。4年で成果を出せたことについて、人事本部の増永加奈子さんは「さまざまな施策をスピーディーに実行できたのは、リーダーのコミットメントによるところが大きいと感じています。経営トップや本部長が『働き方を変える』という断固とした気概を持ち、それを明確に示したことが、社員一人ひとりの意識や行動の変革につながりました」と話します。

 同社では、今後目指すべきゴールとして「2025年までに日本を含めたグローバル全体で社員の男女比を50:50にする」「2024年までに女性管理職比率を20%にする」を掲げています。次のページからは、その実現に向けた女性活躍推進や子育て支援の取り組み、コロナ下でのリモートワークの工夫などを紹介します。