働く女性のキャリアとライフスタイルを応援する女性誌『日経WOMAN』と日本経済新聞社グループの「日経ウーマノミクス・プロジェクト」は2021年版「女性が活躍する会社BEST100」をまとめました。今回はその部門賞として、DUAL独自の指標で集計した「共働き子育てしやすい企業ランキング」を発表。特集では、上位企業とその施策を紹介します。

 DUALが2016年から続けてきた「共働き子育てしやすい企業ランキング」は、企業の施策ポイントとして「性別に関係なく、育児中の社員を支援する施策が用意されていること」を重視しています。この視点で、「育児中の男女が等しく活躍できる」「育児中の人に限らず、誰もが働きやすい環境づくりを目指している」「保活サポートなど育児支援制度がある」の3つの観点に分けて40の評価項目を作成し、点数付けを行いました。女性活躍、男性育休取得率、育児支援がポイントとなります。2020年からは『日経WOMAN』との合同調査になり、「女性が活躍する会社BEST100」の部門賞として発表しています。

 注目した評価ポイントは以下の通りです。

【DUAL評価ポイント】
1) 男性育休の取得率と、取得者の取得日数の平均
2) 産育休を取得する(している・した)社員を対象に、両立支援の取り組みを実施しているか
3) 2)の両立支援の取り組みには、上司や社員の配偶者・パートナーも面談やセミナーなどで巻き込んでいるか
4) 男女問わず、月ごとの残業時間が短いか
5) 管理職、非管理職の有休消化率に差がないか
6) 恒常的な残業を削減する取り組みを行っているか
7) 働き方の多様性を進めるための施策があるか
8) イクボスを増やす取り組みを実施しているか
9) 保活サポートや職場内保育園、ファミリーデー実施など育児中の社員向けの特別な取り組みを実施しているか
10) 男女関係なく活躍できるために、キャリア教育を受ける機会があるか

 配点は、「育児中の男女が等しく活躍できる」(73点満点)、「保活サポートなど育児支援制度がある」(24点満点)、「育児中の人に限らず、誰もが働きやすい環境づくりを目指している」(53点満点)という計40の項目ごとに1点~8点で点数付けを行い、集計しました。アドバイザー3人(中央大学大学院戦略経営研究科教授の佐藤博樹さん、育休後コンサルタントの山口理栄さん、東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部 チーフコンサルタントの塚越学さん)がそれぞれ10点加点し、200点に換算してランキング化しました。

「育児中の男女が等しく活躍できる」

・正社員の女性比率を加味した男性育休の取得率の高さ
・過去1年間の男性育休の取得率と、過去3年間に男性育休を取得した人の取得日数の平均、および平均年間総労働実数時間の関係
・役員、部長、課長相当職などの管理職で子どものいる女性社員の割合
・過去3年で、管理職になった後に育児休業を取得した女性社員の数が多いか
・働き方の多様性を進めるために実施している施策や制度(テレワーク、在宅勤務、フレックスタイム制度など)が充実しているか
・男性社員の育休取得や育児を推進するための施策があるか
・育休を取得する社員の目標設定・キャリアプランについての面談があるか
・非正社員の育休分割取得が可能か
・非正社員に向けた育児と仕事の両立支援策があるか
・イクボスを増やすための取り組みがあるか
「保活サポートなど育児支援制度がある」

・保育園に入る活動をサポートするシステムがあるか
・職場内に保育園施設を設置しているか
・シッター会社を法人契約するなどの補助があるか
・子育て中の社員の両立を支援する目的のネットワークがあるか
・ファミリーデーなどがあるか
・出産一時金など祝い金制度があるか
「育児中の人に限らず、誰もが働きやすい環境づくりを目指している」

・男女の平均勤続年数の差が少ないか
・女性の係長やプロジェクトリーダーの比率が高いか
・女性の管理職の数値目標があるか
・管理職と非管理職で有休消化率の差がないか
・年間所定外労働時間が少ないか
・残業時間削減のための施策と働き方の多様性があるか
・過去1年で介護休業を取得した社員がいるか
・介護休業制度についての社内での啓蒙活動をしているか
・社員のストレスマネジメントやハラスメント対策の取り組みがあるか
・女性の活躍推進やダイバーシティ推進があるか
・LGBTの社員が働きやすい環境を目指しているか
・不妊治療支援制度があるか
・経営トップが、経営ビジョンや経営方針を共有しているか