子どもが生まれる前はすべてが「自分の時間」だったけれど、今は子育てと仕事で手いっぱい。自分の趣味を持ちたいけれどなかなか時間がない、始めても続かないだろう・・・。そんなふうに諦めていませんか? 実は趣味を持つことは、子育てにも仕事のメリハリを付けるにもプラスに働き、いいことずくめ。子育て中の共働き親こそ、趣味を持つべき、というのが本特集の提案です。何かをスタートするのに遅すぎることはありません。実際に、40代になって新しい趣味の扉を開き、世界をぐんぐんと広げている共働き親の方々のケースを紹介します。

40代からの趣味で「世界」を広げる

 ジャーナリストで、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授として活躍している治部れんげさん。大学の講義、原稿執筆、取材対応、講演などで多忙な日々を送っています。子どもは小学生と中学生で、子育ての大変な時期は過ぎたものの、まだまだ気を配らなければならない時期です。

 仕事と子育てで時間に追われる中で、治部さんは「ストレス解消のために、仕事でもない、子育てでもない、自分のための時間が必要」として、2年前から韓国語の勉強を始めました。そのきっかけは「韓国ドラマ」でした。40代からの、資格も仕事も関係のない、完全に趣味の領域での語学学習の楽しみ方について聞きました。

 「宝塚歌劇団」の舞台をきっかけに、その背景となる歴史や原作を知りたいと、教養の幅を広げていった、フリーランスでPRをしている佐藤綾子さん(仮名)のケースもあわせて紹介します。

ラジオ講座で韓国語の勉強をスタート

 治部さんが韓国語を学び始めたきっかけは、韓国ドラマの『シークレット・ガーデン』。友人に勧められて視聴したところ、すっかり魅了されてしまったのだそうです。

 「『シークレット・ガーデン』は財閥の御曹司(ヒョンビン)と下積みスタントウーマン(ハ・ジウォン)の恋愛を軸に、その2人の魂が入れ替わってしまうという奇想天外なストーリーです。韓国ドラマ王道の恋愛・家族・格差・正義・秘密といった要素がてんこ盛りで、その世界を初めて体験して、とにかく感情を揺さぶられてしまったんです」と振り返ります。

 最終話に向かって2~3話を明け方まで一気に視聴。翌日はスーパーへ買い物に出かけたものの、寝不足とドラマの余韻があいまって、近所の公園で放心してしまったとか。

 「そこで、自分の中に何が起こったのか分析をしてみようと、エクセルを使って印象に残ったシーンとその時の自分の感情を書き込んでみたりもしました。私は周囲からは“冷静で論理的な人”だと思われていたようで、その分析を友人たちに送ると、とても驚かれました。ジャニーズオタクの友人には、『こちら側の世界へようこそ』と言われましたね(笑)」

 その後も『愛の不時着』といった話題作の視聴を続けるうち、「ドラマをもっと楽しみたい」と始めたのが韓国語の勉強だったというわけです。『シークレット・ガーデン』を初めて見たのが2020月2月、その2カ月後の4月には勉強をスタートしました。

 忙しい合間を縫って、どのように勉強を進めているのでしょうか。心の健康を保つために「趣味で楽しむというスタンスは崩したくない」と言う治部さんに、具体的にどのように学習を進めたのか、その方法やスケジュールの立て方、楽しみ方について聞きました。

【治部れんげさん】
「子どもたちを素直にリスペクトできるという、意外な効果もありました」
「仕事に回収されない時間をどれだけ確保できるかが、生きる上で重要だと思います」


【佐藤綾子さん】
「自分の心が満たされると、周囲に優しくなれますね(笑)」

次ページから読める内容

  • 初年度は学習時間を生活のルーティンに組み込む
  • 仕事のオファーが来ても、あくまで趣味
  • 宝塚が生活の一部に 子どもに優しくなれる

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