子どもが生まれる前はすべてが「自分の時間」だったけれど、今は子育てと仕事で手いっぱい。自分の趣味を持ちたいけれどなかなか時間がない、始めても続かないだろう・・・。そんなふうに諦めていませんか? 実は趣味を持つことは、子育てにも仕事のメリハリを付けるにもプラスに働き、いいことずくめ。子育て中の共働き親こそ、趣味を持つべき、というのが本特集の提案です。何かをスタートするのに遅すぎることはありません。実際に、40代になって新しい趣味の扉を開き、世界をぐんぐんと広げている共働き親の方々のケースを紹介します。

40代からの趣味で「世界」を広げる

「お母さんは僕のつらさが分からない」で始めた空手

 「自分だけのために、趣味や習い事の時間を割くことはなかなか難しい」というのは、多くの子育て中の共働き家庭の共通した悩みかもしれません。金融業界でキャリアを築き、今年4月まで米アドビ日本法人の副社長を務め、現在はみずほフィナンシャルグループ(FG)のグループCPO(チーフ・ピープル・オフィサー)を務める秋田夏実さん(50)も、そのように感じている1人です。秋田さんは高校3年生の男の子と小学校3年生の女の子、年長の男の子を育てる3児のママ。もともと体力づくりのために、子どもが幼い頃は、子どもが寝静まっている時間を使ってランニングをしていたものの、ハードな仕事をしながら、3児を育て、その上でさらに、自分だけで何か新しい趣味を始めるのはハードルが高かったと言います。しかし、習い事に子どもと一緒に取り組むことで、不可能だと思われた趣味の扉が開きました。

 きっかけは、長男が小学3年生の春頃に、心身ともに強くなってほしいという思いから習わせ始めた空手。長男が習っていた道場では、夏の暑い日も冬の寒い日もエアコンがない中で2時間にわたって形や組み手を練習するため、長男は「つらいからやめたい」と泣きながら帰ってくる日々が多かったそう。

 「息子に『お母さんはボコボコにされていないから、僕がどんなにつらいか分からないんだよ』と言われたときに、『じゃあお母さんも始めてみようか。運動をしたいし、その気持ちも理解したいから』と43歳で空手を始めました」と振り返ります。その後、ほかのきょうだい2人も習い始め、今では親子4人で週2回、空手道場に通っています。

 もう1つ、秋田さんが40代で始めたことがあります。それは、ワインの勉強です。実は、秋田さんは下戸でした。それにも関わらずワインの勉強を始めたきっかけは、当時勤めていた会社の上司の「ワインを学ぶとビジネスに役立つよ」というアドバイスでした。下戸で会食が苦手だった秋田さんは、「少しでもお酒の場を楽しめるようになりたい。でも、勉強するなら日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定する民間資格まで取りたい」と、強い意気込みでワインスクールに通うことに。

 空手とワインの2つの趣味を通して、仕事や親子関係にさまざまな好影響が生じていると話します。とはいえ、ただでさえ多忙な毎日の中で、秋田さんは、いったいどのようにして趣味の時間まで捻出したのでしょうか。また、趣味に対してどのような態度で取り組んだことが、好循環に結びついたのでしょう。「40代から新しい趣味を持った」ことによる意外なメリットとは? 具体的に聞いていきましょう。

次ページから読める内容

  • やっぱり空手は大変だった それでも続ける理由とは
  • 趣味と子育てのボーダーラインがない
  • 趣味は、リタイア後の目標になる

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