子育てや教育について「何か違う気がする」とひっかかることがあっても、じっくり考えることなく、そのままにしてしまっていませんか? 「とりあえずみんなと同じ」道を選択して安心しようとしている人もいるのではないでしょうか。

しかし、何かひっかかる背景には、自分の価値観とずれがあったり、社会的な問題が隠れていたりすることも。そうしたモヤモヤに向き合い、問題の本質を明らかにして考えることが、周囲に流されない子育てにつながっていくはずです。そこで本特集では、働く親が抱くモヤモヤについて、専門家に「そもそも、どうしてそうなっているの?」の疑問をぶつけました。ぜひわが子の子育て・教育のヒントにしてください。

子育て・教育のギモン 「そもそも」が知りたい!

「子育てがつらい」親の割合がこの10年でアップ

 「わが子のことは大好きなのに、子育てがつらい」。取材の中でそのような声をよく聞きます。「つらい」とする理由は、公共の場所で子連れだと嫌な顔をされたといった身近なことから、会議が夕方に設定されて保育園のお迎えに間に合わない、重要な仕事を任されなくなったといったキャリアに関わることまでさまざまです。

あなたは、子育てに楽しさを感じるときが多いですか、それともつらさを感じるときが多いですか

 皆さんの答えはどうでしょうか。これは2020年に行われた『少子化社会に関する国際意識調査』(2021年内閣府報告_日本、フランス、ドイツ、スウェーデンの4カ国で20~49歳の男女を対象)内の設問です。

 「楽しさを感じるときの方が多い(『楽しさを感じるときの方がかなり多い』と『楽しさを感じるときの方がやや多い』を合計)」と答えた割合は、4カ国で比較するとスウェーデン91.0%、フランス85.9%、ドイツ84.5%、日本は78.9%で最下位(4位)です。

楽しさを感じるときの方が多い(計) つらさを感じるときの方が多い(計※)
スウェーデン 91.0% 7.9%
フランス 85.9% 13.5%
ドイツ 84.5% 15.0%
日本 78.9% 20.1%
※「つらさを感じるときの方がやや多い」と「つらさを感じるときの方がかなり多い」の合計

 この調査は5年ごとに行われています。日本の10年前の結果と比較すると楽しさを感じる割合が減り、つらさを感じる割合が増えるという変化が見られました。

2020年 2010年
楽しさを感じるときの方が多い(計) 78.9% 85.7%
つらさを感じるときの方が多い(計) 20.1% 9.1%

 2020年も約8割は「子育てに楽しさを感じるときの方が多い」と感じているのですが、一方で「つらさを感じるときの方が多い人」が11ポイントも増加しています。5人に1人の親が子育てにつらさを感じる背景には何があるのでしょうか。

 そこで、お茶の水女子大学グローバル女性リーダー育成研究機構長で、家族社会学、ジェンダー社会学が専門の石井クンツ昌子さんに日本の親が子育てをつらく感じる理由を、4つの要因に分けて解説してもらいました。つらさを脱却していくために、親自身がどのように行動していくべきかも聞いていきます。

次ページから読める内容

  • 「妻は家庭を守るべき」日本では4割超が賛成
  • 制度や働き方からもつらさを感じる
  • 親は社会への壁を低くし、自分にOKを出そう
  • 子どもは社会で育てる空気をつくるために先輩親の役割は重要

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