勉強しなさい!と言わなくても、自分の好きなことを見つけて一生懸命学ぶ、意欲のある子に育ってほしい……。家庭学習の時間が増えている今、そう願う親は少なくないでしょう。子どもの脳と体が大きく発達する保育園~小学生時代に、親から子への関わり方で大切にすべきこととは何でしょうか。この特集では、「頭がいい子」が幼少期から家庭で実践してきたこと、共働きの親だからこそできる子どもの伸ばし方を、専門家や実例への取材で探っていきます。

「頭がいい子」が育つ家庭教育&暮らし方

 わが子をIT分野で活躍できる大人に育てるには、できるだけ早くからコンピューターに触れさせて、プログラミングを習わせないといけない――。そんな親たちの焦りを軽やかに取り去ってくれるロールモデルがいます。

 矢倉大夢(ひろむ)さん(23歳)。中学生の頃に、世界中のプログラマーが挑む「Linuxカーネル」で見事にバグを発見し、修正投稿をして話題に。その後も国内外の競技プログラミングでの受賞を連発し、中学3年生のときには若きIT人材を発掘する国家プロジェクト「未踏」に当時最年少で採択されました。高校時代には情報セキュリティスペシャリストの資格試験に最年少で合格するなど「高校生天才プログラマー」として注目される存在になりました。

 23歳となった現在は、国立研究開発法人産業技術総合研究所の研究員、筑波大学大学院生、グローバルリーダー育成を支援するチームボックスのCTO(最高技術責任者)という「3足のわらじ」で活躍しています。また、孫正義ソフトバンクグループ会長兼社長が「突き抜けた才能」を支援するために設立した「孫正義育英財団」の財団生として、将来を有望視されている若者の一人です。

 学術と産業の両分野で、最先端のプログラミングの世界に身を置く矢倉さんですが、実は灘中学校(神戸市)のパソコン部に入るまでは「あまりパソコンを触ったことがなかった」と言うのですから意外です。

 印刷・DTP関係の仕事をしていた父親の部屋にAppleのパソコンは何台かありましたが、「将来に役立つからプログラミングをやったほうがいい」と両親からすすめられたことは一度もなく、「父が使わないWindowsのパソコンで普通にインターネットをしていたくらいです」

 では、どのようにして「若き天才プログラマー」が育ったのでしょうか。次のページから詳しく解説していきます。

次ページから読める内容

  • 「何でも自分で調べなさい」という教育方針
  • プログラミングへの熱意の源は幼少期に
  • 「やればできる」と信じる自己効力感の育て方

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