- (1)頭がいい子育つ家庭は「遊び、体験、共有型しつけ」
- (2)上田理恵子 まず自らの起業の夢実現、子の手本に
- (3)福岡伸一 両親の「邪魔しない主義」で好きを極める
- (4)家事で起業した慶応男子 自己肯定感は手伝いで育む ←今回はココ
- (5)孫正義期待の天才 プログラミングの前に好奇心大事
17歳で子ども向けの家事塾を立ち上げ
会議室に集まった小学生の男の子や女の子が、真剣な顔で洗濯物を畳む。その隣に立って優しくアドバイスするのは、背の高い高校生の男子――。
子どもに家事や片付けを教える講座「粂井塾」。主宰する粂井龍三さんは高2のときに粂井塾を立ち上げ、現在は慶応義塾大学1年生、起業家と学生の二足のわらじを履いています。「子ども時代から家事や手伝いを行うことにより、計画力、工夫する力、忍耐力、集中力や自己肯定感など、生きるために必要な力が総合的に育まれます」と話します。
龍三さんは地元の公立小中学校を経て、高校受験で慶応義塾志木高校に入学。高校2年生のときに粂井塾を立ち上げた後、文部科学省の海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」に応募し、選考を通過して奨学金を受給、1年間米国への留学も経験しました。
高校受験も、留学も、粂井塾の起業も、すべて自分で希望し実現させてきたという龍三さん。しかし「親から『勉強しなさい』と言われたことは一度もありません」と話します。
龍三さんの二人の姉も偏差値トップクラスの大学を卒業し、それぞれ大手コンサルティング会社と大手外資系IT会社に勤務。いわゆる高学歴なだけでなく、自分の好きな道を自分で切り開いてきた粂井家の子どもたちは、家庭でどんな過ごし方をしてきたのでしょうか。龍三さんと、母親で人材育成の研修などを行う「Home to Work」代表の粂井優子さんに、次のページから詳しく聞いていきます。