平成の就職氷河期の中で社会人になった「ロスジェネ世代」(ロスジェネはロスト・ジェネレーションの略)。非正規雇用の人が増えて格差が拡大し…そんな世代論は聞き飽きた! という人もいるでしょう。でも、ちょっと待って! この世代は、働き方を模索しながら社会のデジタル化にいち早く対応、共働き子育てを実践してきた、実はパワーあふれる世代でもあるのです。私たちは、ここからまだまだ頑張れる。子育てしながらどうキャリアを伸ばす? どんなリーダーになる? 下の世代とうまく働くには? 「100年人生」を見据え、幸せに働くノウハウを探ります。

30代で昇進ルートが分かれ、スペシャリスト、マネジャーに

 ロスジェネ世代の働く未来を探る今特集。第5回は人事コンサルタントとして活躍するカドル代表の澤田清恵さんに、ロスジェネ世代の職場での立ち位置について話を聞きます。澤田さん自身も1973年生まれでロスジェネ世代のはしり。大手企業の人事部を振り出しに、ソフトバンク、外資系企業で一貫して人事に携わってきました。40代前半でカドルを起業。企業の人事制度の構築や人材開発、個人向けのキャリアサポートを行うなかで、ロスジェネ世代と接することも多いそうです。

カドル代表の澤田清恵さん
カドル代表の澤田清恵さん

 澤田さんはロスジェネ世代の現在の立ち位置について、次のように説明します。「今は多くの企業が専門職(スペシャリスト)と管理職(ゼネラリスト)の2つの昇進ルートを敷いています。ロスジェネ世代の皆さんは、早くてアラサーの頃にどちらかのルートを選んできたのではないでしょうか。

 企業がスペシャリストの道を用意しているのは、『マネジメントはしたくない』という優秀な社員を流出させないためです。管理職ルートを選んだ人たちは、大企業においては早い人は部長、多くはやっと課長になった頃でしょう。規模の小さな企業では、もっと上の事業部長、本部長などを任されている人もいます」

 スペシャリストとして企業に貢献したり、マネジャーとして部下の成長によりそいながらチームとして成果を出したり、プレイングマネジャーとして現場のプレーヤーとしての役割も担ったりと、ロスジェネの活躍の仕方はさまざまです。

 これまでに延べ約3000人に、カウンセリング、コーチングをした経験がある澤田さんは、「ロスジェネ世代は就職活動や新入社員の頃の時代背景から、多くの人に共通する強みがあります」と話します。それはどのようなものなのでしょうか。また、これからは下の世代が上司になることも考えられます。そのときに強みをどのように生かし、どんな立ち位置を得ていけばよいかも併せて聞いていきます。

ロスジェネ世代にはこんな強みがある!

○○対応能力
○○関係の調整力
・部下を叱咤(しった)激励したり、動機づけをしたりする○○○○○○
・ゼロからイチを生み出す○○
・報告書や議事録などをまとめる○○○○○○

その理由は次ページから!

こんな立ち位置で活躍できる

・職場の○○○○○○○○○不足を補う
○○の考えをかみ砕いていて、他の社員や取引先に伝える
○○調整をする、ロビー活動で相手の懐に飛び込んで交渉する
○○を生かしビジネスに適切な相手を選定する

詳しくは4ページから!