新型コロナウイルス感染拡大を背景に、テレワークの利用が急速に広がっています。以前から、働き方改革に伴う生産性の向上・効率化で、会議や打ち合わせといった職場での対面コミュニケーションの機会が減りつつありますが、ここに来てそうした傾向はさらに顕著化していくでしょう。仕事の悩みを一人で抱えたり、上司、部下、同僚とうまくコミュニケーションが取れず、ストレスをためることもあるかもしれません。職場の人間関係を円滑にするための方法やテレワークの進め方などを紹介します。

職場で何が強いストレスになっている?

 人間が生きていくうえで、適度なストレスは必要といわれています。しかし、そのストレスが過度になると、人の体は「戦う or 逃げる」という反応を起こして対処しようとするそう。メンタルに悪影響があるだけでなく、心臓病のリスクが上がったり免疫機能が低下したりといった健康への影響があることが多くの研究で分かっています。

 厚生労働省が実施している「労働安全衛生調査」によると、職場において強いストレスとなっている事柄があると答えたビジネスパーソンは例年50%を超えています(下図を参照)。

厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況より引用
厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況より引用

 同調査では何が強いストレスとなっているのか、内容についても聞いています。2018年の結果では「仕事の質・量」が 59.4%と最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が 34.0%、「対人関係」が 31.3%でした。対人関係、つまり職場の人間関係に強いストレスを感じている人は3割に上るのです。