男性育休の取得推進が企業で義務化されるなど、日本全体で男性の育児を後押しする動きが広がりつつあります。パパたちの中には「もっと積極的に育児をしたいのに、なかなか思い通りにできない」と、職場環境などとのギャップに不安を抱え、もやもやしている人もいるでしょう。パパの子育てを阻む社会構造を明らかにするとともに、当事者たちのもやもやを取り除くヒントを紹介します。

「パパの子育て」を阻む本当の原因は

 内心ではもっと子育てをしたいと思っていても、子どもの沐浴(もくよく)や保育園・学童保育の迎えのための定時退社は周囲の目が気になり、思うように育児ができていないパパも多いのではないでしょうか。

 特にパパが社内で若手だったり、時間の融通があまり利かない部署で仕事をしていたりする場合、育休を取りたい、育児のために定時退社をしたいといったことが言い出しにくいかもしれません。言えたとしても、自分自身のこの先のキャリアを描きにくかったり、昇進に遅れが出たり、「仕事で認められなくても、もういいや」と早々に諦めてしまうこともあるようです。

 ママたちが出産・育休から復帰してやりがいのある仕事を任せられなかったり、キャリアがうまく構築できなかったり、仕事への意欲が低下してしまったりすることを指す「マミートラック」という言葉がありますが、今、育児をしたいパパたちも、その男性版「パピートラック」への不安やもやもやを抱えているようです。前編に続き、戦略系コンサルティングファーム、ドリームインキュベータ執行役員の野邊義博さんにアドバイスしてもらいます。

仕事にフルコミットできない自分に活躍の場は?

 まずは、1歳と3歳の子どもたちのパパである後藤昌幸さん(仮名)が抱える仕事と育児のもやもやです。

●ケース2:後藤昌幸さん(仮名・30代前半・商社/子ども:1歳、3歳)

 「保育園への送り迎えから食事や洗濯などの家事、寝かしつけとすべての育児を妻と分担し、妻が納得してくれるレベルまで育児をすると決めています。

 ただ、学生時代の友人はまだ誰も結婚もしておらず、『育休を取る』と話したところ『じゃあ、一緒に日本一周旅行に行こうよ』と誘われたことも。会社でも、今は関連会社に出向していて、比較的マイペースで仕事をすることができる状況なのですが、第一線で活躍する同期の姿を見ると、ふとしたときに『周囲と話が合わない』寂しさや、『20代で仕事を覚えて、これから働き盛りという30代に子育てにシフトしている自分は、この先どうなるのか』といった漠然とした不安を感じることもあります。

 私の仕事は時間が不規則で、ある程度の長時間残業が避けられない職種でもあります。小さい子どもを2人育てながらだと、第一線で働くのは無理。そこはもう仕方がない、と悟りの境地ではあります。とはいえ、これまでの仕事人生も短いため、まだ『やり切った』という感覚はありません。今後も、今の自分に仕事で何ができるのかともやもやすることはあります。子どもたちがもう少し大きくなれば第一線に戻れるかもしれませんが、はたしてそのときに自分が戻りたいと思う意欲が湧くのかどうかも分かりません」

後藤さんの「もやもや」ポイント

●第一線で活躍する同期を見ると、漠然とした不安を感じる
●仕事への不完全燃焼感がある
●子どもが成長した後に、自分の仕事欲が低下しているのではないかと不安

次ページから読める内容

  • 仕事に及び腰になる必要はない
  • もうこれ以上のスキルアップは望めない?
  • 前例はなくても独自のキャリアは築ける
  • 「キャリアを緩める」選択もアリ

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