男性育休の取得推進が企業で義務化されるなど、日本全体で男性の育児を後押しする動きが広がりつつあります。パパたちの中には「もっと積極的に育児をしたいのに、なかなか思い通りにできない」と、職場環境などとのギャップに不安を抱え、もやもやしている人もいるでしょう。パパの子育てを阻む社会構造を明らかにするとともに、当事者たちのもやもやを取り除くヒントを紹介します。

パパたちも育児をする意欲はあるものの…

 共働き家庭において、パパの子育ては家庭を回すためには不可欠。保育園や習いごとの送迎や休日の公園などで、パパたちの姿を目にすることはもはや当たり前になりました。しかし、子どもが小学校に上がって以降は、平日の保護者行事に参加するパパの比率はぐっと下がります。家事も育児もママが大部分を担っていて、パパはサブ的なポジション、という家庭もまだ多いのではないでしょうか。

 ママたちからすると、「もっとパパに子育てしてほしい」「パパには育児をする意欲がないのだろうか」と不満を持ったりイライラしたりして、それをパパ本人にぶつけてしまう人もいるかもしれません。

 しかし、パパは必ずしも、育児に関わりたくはない、と思っているわけではありません。大手食品会社の明治が「男性版産休・育休応援プロジェクト」を運営するママカラと共同で、0歳児を育児中の男性を対象に行った『「パパの育児参加状況」に関する実態調査 』(2021年6月4日~10日、有効回答590)では、64.1%のパパが「積極的に関わりたいと思う」と回答しました。これは共働きのパパだけに限定したアンケートではありませんが、「できる限り関わりたいと思う」(32.9%)と合わせると97%と、大半のパパが育児に関わりたいという意欲を持っていることが分かります

 では、その意欲を持っているパパたちが実際に育児に思うように関われているかと言えば、残念ながらそうではないようです。では、希望通り関われていない理由は何でしょうか