コロナ下でオンラインコミュニケーションが主流となり、在宅勤務という新しい働き方で生活スタイルは一変。働く親の負担は増えるばかりです。子どもたちにも大きなストレスがかかっています。そこで本特集では、働き方の専門家や産業医などに取材。ストレスフリーに生きるため、仕事や親子・夫婦間の適切な「距離の取り方」を提案します。

夫婦が長く一緒にいると不平等を感じやすい?

 コロナ下、夫婦で在宅ワークを続けている家庭も少なくないでしょう。新たな生活スタイルとなって1年。DUALで実施した「ストレス調査アンケート」(実施期間:2021年2月5日~19日)では、「以前よりも夫婦関係がうまくいっている」という声がある一方、「夫婦関係によって、ストレスフルな毎日を送っている」という声も少なくありませんでした。

 中でも目立ったのが、夫婦が一緒に過ごす時間が長くなり「自分ばかりが大変な思いをしている」という不平等感を訴える声です。『妻のトリセツ』(講談社+α新書)などの著者である黒川伊保子さんは、「真面目な人ほど、夫婦が半分ずつ家事や育児を分担することにこだわっているのかもしれませんね」と話します。

 「家族において大切なのは、何が正しい、正しくないということではなく、お互いが一番成果を出せるようにすること。それぞれの個性を無視して、ハサミをしゃもじに見立てて『これでご飯をよそいなさいよ』と言っても仕方がないんですね」

 共働き家庭のすべてに当てはまるわけではありませんが、家事や育児がママに偏っているという家庭は少なくなく、その点においてママはパパに不満を抱きがちです。そうしたケースを念頭に、夫婦間で不平等を感じやすい理由や、夫婦関係の悪化を防ぐ方法について、黒川さんに解説してもらいます。