コロナ下でオンラインコミュニケーションが主流となり、在宅勤務という新しい働き方で生活スタイルは一変。働く親の負担は増えるばかりです。子どもたちにも大きなストレスがかかっています。そこで本特集では、働き方の専門家や産業医などに取材。ストレスフリーに生きるため、仕事や親子・夫婦間の適切な「距離の取り方」を提案します。

一緒にいる時間が増えたのに、子に仕事ストレスをぶつけてしまう

 新型コロナウイルスの流行をきっかけに定着したリモートワーク。毎日ではなくても週に数日取り入れた勤務にシフトした人も多いでしょう。夫婦が共に自宅で仕事をしたり、子どもとの時間が増えたりと生活が大きく変わってきています。

 家族一緒に過ごす時間がもっと増えたら楽しいだろうな。コロナ前に毎日オフィスに通勤していた頃は、そう思っていたかもしれません。しかし、実際に一緒に過ごす時間が増えてみたらどうでしょう。

 一緒に過ごす時間が増えても、仕事で疲れていたり、気になることがあったりして子どもやパートナーに話しかけられても上の空だったり、不機嫌な顔で応対してしまう、ということはないでしょうか? なんでこんな態度を取ってしまったのだろう、これが子どものメンタルにも悪影響を与えてしまうのではないか……などと、後悔したり不安になったりして、さらにストレスが募る、という悪循環になることもありそうです。

 パートナーが仕事ストレスを抱えていて、それを子どもにぶつけている、という状況もあるかもしれません。自分やパートナーの仕事ストレスが、子どもにとっての「家族ストレス」にならないようにするには、どうすればいいのでしょうか。産業医として多くのビジネスパーソンに寄り添い、アドラー心理学やゲシュタルト療法をベースに心理カウンセラーとしても活躍する上谷実礼さんに話を聞きました。前後編でお伝えします。