働き方の多様化で移住も二拠点もハードルが下がった

 子どもがいるのに移住や二拠点生活が可能な背景には、働き方の変化もあります。リモートワークやサテライトオフィスなど、働き方改革の浸透に伴って、働く場所の制約が無くなってきました。今回の特集で登場する家庭は、多くがリモートワークも活用しています。

 自然環境で子育てをすることは、子どもの発育面にはどんなメリットがあるのでしょうか。「野山を駆け回り、海遊びをするなどの自然体験を通じて、子どもの運動能力は上がります。特に3~5歳前後は脳の運動野が発達する時期なので自然に触れ合う時期として最適かもしれませんね」と話すのは、医師で、東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之さん。

 「好奇心も育てられるので、脳の発達には良いことです。子どもの脳の発達のためには、異なる刺激が大事です。その刺激の最も大きな原動力が好奇心です。都会では子どもが文化や芸術などに触れることができるので、都会の育児を否定はしません。しかし、自然相手だと、自分ではコントロールできない状況になる機会が都会よりも多いですよね。そんな環境では『何かをやり抜く力』がつきます。今注目されている非認知能力、GRITや共感、レジリエンス、といった能力は、予測もつかないことが起こり得る自然の中ではより鍛えられやすいと言えます」

 ママやパパは自然が好きなネイチャー派だが、子どもはゲーム好きで虫を触れないアーバン派。そんな家庭はどうすればいい?