「定時で帰宅しにくい」「業務量の調整なし」…職場の無理解

 育児をしている状況への職場の理解が不十分なことから、「独身者や専業主婦家庭の同僚と比較されてしまう」「女性に比べてお迎えに行きづらい」などといった悩みの声もありました。

【どんなときに職場から理解を得られていないと感じるか?】

独身者や専業主婦家庭の同僚と比較され、アウトプットが出せていないことに理解をしてもらえない(43歳/卸売・小売業・商業/役員/年少と小5と中1以上のパパ)
・女性はお迎えに行きやすい雰囲気に対し、男性はそうではなく、業務量の調整をあまり図ってもらえない(31歳/金融/企画・調査・マーケティング/2歳のパパ)
・急な遅刻・早退が避けられないこともあるが、事前にもっと引き継ぎ等ができないのかと聞かれることが多い。子どもの体調悪化など、突発的に発生するため、実態として事前準備は極めて難しい(37歳/金融/一般事務/2歳と年中のパパ)
・職場はスタッフ・上司ともに年齢層が高く、子育てに関わった経験がない人ばかり。男性が子育てや家事にコミットすることに想像が及ばない印象を受ける。毎朝、保育園へ子どもを送っているため、急な出張はできないと話すととても驚かれる。「いつまでやんなきゃいけないの?」と尋ねられる(44歳/マスコミ/2歳と年中のパパ)
・妻の出産前は管理職に就いていたのですが、出産を機に降りざるを得なくなり、復帰の意思を伝えてもはぐらかされてしまっているのが実情です。また、保育園に通う子どものイベントで有休を申請しようと試みるも、人手不足を理由になかなか受けてもらえません(41歳/卸売・小売業・商業/生産・製造 /1歳と年少のパパ)
・育休明けに降格した。昇格が遅くなり、昇給もほぼない。定時で帰宅しにくい雰囲気がある(42歳/アウトソーシング/営業・販売/年長と小3のパパ)

【理解が得られていないときは、どのように解決しているか?】

・異動希望などを記入する人事の書類に、家庭の事情を記載して共有し、まず上司に理解してもらうようにしている(44歳/マスコミ/2歳と年中のパパ)
・部署の会議で1日の生活について説明する。女性に関わるアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)的な発言があると、その都度、訂正を入れる(38歳/食品、医薬、化粧品/研究・開発/2歳と年中のパパ)
仕事の質を落として対応している(31歳/金融/企画・調査・マーケティング/2歳のパパ)
・親(子の祖父母)に頼る(37歳/マスコミ/年中のパパ)
・転職活動をしている(40歳/電気・電子機器/研究・開発/0歳と小1のパパ)
・深夜早朝、休日に無給で業務をして、どうにか対応している(42歳/アウトソーシング/営業・販売/年長と小3のパパ)
・家事育児では妥協をし、仕事を優先にする(41歳/卸売・小売業・商業/総務・人事 /1歳と年少のパパ)
・帰れないので妻にお願いせざるを得ない(38歳/情報処理/年中のパパ)

 仕事、家事・育児、自分、妻……大切な何かを犠牲にしなくては成り立たない、つらい状況にパパたちが置かれていることが分かります。

 一方で、自分なりの考え方で乗り切ろうとするパパの声もありました。

【諦めざるを得ないことをどう感じているか?】

・残業してやりたいことがあるのは事実。ただ、残業せずにできる範囲でのパフォーマンスで折り合いをつけていくことも、部下や後輩に示さなければならない、とある意味、開き直っている(38歳/卸売・小売業・商業/総務・人事/0歳のパパ)
・諦めるというネガティブな気持ちではなく、制約があるなかで折り合いをつけ、独身時代には考えなかった自分のマネジメントをしているつもり(34歳/電気・電子機器/企画・調査・マーケティング/年少と年中のパパ)
・特に気にならない。家族の幸せのために働くというのが前提なので、家族に何かを諦めさせるつもりはない(35歳/飲食店・宿泊/営業・販売/2歳と年長のパパ)
・家庭と仕事のバランスをどこに取るかは自分で決めたことなので、残念なところはあるが、納得もしている(48歳/製造/技術・設計/2歳と年長のパパ)

【諦めざるを得ない気持ちをどう発散しているか?】

パパ友に悩みを話す(45歳/運輸/運転士/0歳と年少のパパ)
趣味の時間を楽しんだり、妻と話したりして発散する(39歳/公務員/一般事務/年中と小1と小4のパパ)
・せっかくやっているので、むしろ家事育児の質を向上させるよう頑張る(51歳/医療/経営企画/年長のパパ)
・妻との話し合い(40歳/農林水産・鉱業/営業・販売/年少と小2のパパ)
同じ境遇の同僚と話をする(45歳/情報処理/年少と小3のパパ)
今しかできない育児を楽しむことも新しい発見と気持ちを切り替えている(42歳/製造/企画・調査・マーケティング/年少のパパ)