夕方、子どものお迎えに行くために、仕事をなんとか終わらせて、付きまとう焦りや葛藤を振り払い、今日も走っているのは、女性だけではありません。職場や社会で育児中の男性の前にいまだ壁が立ちはだかるなかで、保育園パパたちは、タイムマネジメントやタスク管理にどのように取り組み、周囲の理解を得るためにどんな工夫をしているのでしょうか。お迎え後の家事やママとの連携は?パパたちの本音は? 詳しく紹介します。

保育園パパたちの働き方改革DAYS

 今回の特集で男性を対象に読者アンケートを実施したところ(2019年12月27日~2020年1月20日に実施、男性131人が回答)、「育児に関わってよかったこと」(複数回答)の1位には「子どもが懐いてくれること」(85.5%)、2位に「妻から感謝されること」(35.1%)が挙がりました。

 「一昔前であれば、子育てを妻に任せきりにした結果、子どもが懐かず妻から嫌われ、家庭内で居場所がなくなる――そんな話が当たり前のように聞かれました。しかし保育園パパの現状はそれとは反対。まさに新しい時代のパパ像・家族像をつくっていると言えます」と、『「家族の幸せ」の経済学』の著者で東京大学教授の山口慎太郎さんは分析します。

 そんなパパたちにとって、悩みのタネは、職場に存在する壁です。家事育児で時間を取られる状況に対し、職場から「あまり理解を得られていない」「全く理解を得られていない」と感じているパパは、合わせると19.8%に上りました。

お迎えの予定を会社のスケジュール表に入れておいても、そこに別の予定を入れられてしまう。(37歳/マスコミ/年中のパパ)

定時ではこなせない量の仕事を任されたり、業務時間外の打ち合わせやお客様のアポ等を当たり前のように指示されたりする。 お迎えなどで帰ろうとしても、次々と話しかけられたり、業務を指示されたりする。(42歳/アウトソーシング/営業販売/年長と小3のパパ)

第二子の育休申請をしたが、あまり好意的に受け止められなかった。(31歳/金融/企画/2歳のパパ)

子どもの体調不良で仕事を休むと、休み明けに気まずい雰囲気がある。(32歳/福祉介護/人事総務/2歳と年中のパパ)

 家族との関係が良好である半面、職場でつらい状況に置かれているパパは少なくないようです。

 「今のパパたちが直面している課題は、少し前のワーキングマザーたちが直面した状況によく似ています」と山口さん。「男性育休取得率が6%台にとどまっているなか、今のパパたちは男性育児の『第1世代』と言うことができるでしょう。

 苦しい時期かもしれませんが、パパたちは確実に職場や世の中を変えています。2006年に男性育休取得率が70%を超えたノルウェーでは、パパたちが育休を取るようになった理由の1つは、『職場の同僚が育休を取得した』ことにあったといいます」

保育園パパたちは確実に世の中を変えている。画像はイメージ
保育園パパたちは確実に世の中を変えている。画像はイメージ

 「日本でも、今の保育園パパたちの働き方や育児への姿勢は、周囲に影響を与え、雪だるま式に広がっていくでしょう。やがて第2世代、第3世代が現れ、結果的に大勢の人に影響を与えることになります。後輩に当たる若い世代は、今の保育園パパを見て『励みになる』と思っているかもしれません。変化が起こるまでには時間がかかりますが、必ず良かったと言える日が来る、と信じてほしいです」

 一方で、父親が育児に積極的に関わると、子どもへの好影響が期待できることが、過去の調査から示唆されているといいます。

次ページから読める内容

  • 育児をするのは必ずしも母親でなくていい
  • 変わりつつある「父親らしさ」「母親らしさ」
  • 給与は2%減るが家族と過ごす時間は1日20分増える

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