限られた時間の中で通うなら、どんな習い事がいい? 費用や送迎は? それともオンライン…? 習い事って迷いますよね。習い始めた後も、「子どもが前向きに取り組まない」「向いていないのか?」などなど、悩みは尽きません。そこで編集部では、そんな習い事の「モヤモヤ」を解決すべく、共働きの親355人に緊急アンケートを実施! 発達心理学の専門家にも取材し、水泳やピアノといった「定番」習い事から、プログラミングなどの「STEM系習い事」まで、子どもが主体的に楽しく取り組むためのノウハウを紹介します。

習い事をさせたい。でも「時間が足りない!」

 習い事のために生活が忙し過ぎると感じたり、自由に遊べる時間と習い事時間のバランスに悩んだりしている親は少なくありません。日経DUALのアンケート(2021年1~2月に実施。355人が回答)でも、以下のような、習い事の時間的負担に悩む声が寄せられました。

「毎日の練習や宿題が大変で、いつもどれを減らすか考えているが、一度始めたものはやめにくいこともあり、なかなか子ども(と親)の負担を減らせない」(42歳/その他/その他/小1のママ)

「もう少し自由に遊ぶ時間もとりたいと思いつつ、やりたいことを詰め込んでしまっています。土日にキャンプなどに出かけられないので、出かける場合は3連休などに限られてしまいます」(37歳/卸売・小売業・商業/企画・調査・マーケティング/年長と小2のママ)

「習い事の宿題をこなすのに時間を取られる。もっとお友達と外で遊んでほしいという気持ちがある一方、習い事と、習い事の宿題に追われてしまうことが多い」(43歳/その他/その他/小1と小4のママ)

 多忙な共働き世帯で、子どもの習い事の時間を確保するのはなかなか難しいもの。「わが子の保育園時代、私は医療系ベンチャー企業に勤務していて、平日のお迎えは最終時間ギリギリ、週末もへとへとでした。そんな忙しい毎日の中で、限られた子どもとの時間をさらに習い事に使うことについては少し考えてみてもいいかもしれません」と一般社団法人「こたえのない学校」代表理事の藤原さとさん。

 「社会の仕事には『答えがない』のに、なぜ日本の学校教育などでは答えのあることばかりを教えているのだろう」――。教育とは異なる分野で仕事をしてきた藤原さんは、今や中学1年生になった子を育てる過程で、日本の一般的な教育手法に対して、そんな疑問を抱き、「こたえのない学校」を設立。小学生向けの探究型キャリアプログラムからスタートとし、現在は全国の小・中・高校の先生や、幼児教育も含む民間教育者を対象にした研修を行っています。

 藤原さんは、幼児教育や習い事の先生のこんな悩みをよく耳にすると言います。「子どもたちが、習い事を詰め込まれて疲れていたり、子どもがやりたいと思う前に次から次へと習い事を与えられることが習慣になったりしている場合、子どもの自ら学ぶ力や探究力を伸ばしたくても難しい、と。保護者が視点を変えることで、習い事をより効果的に活用できると思います」

 子どもが自分自身で学び取る力を高めて、自ら好奇心を持って積極的に学ぶようになるために、親は習い事とどう付き合えばいいのでしょうか。次ページから藤原さんに聞きます。

習い事を子どもの「探究心」につなげたい 親が知っておきたい3つのこと その1 「教えてもらう」に偏っていないか確認 その2 親が「させたいこと」は「親の煩悩」かも その3 「その子らしさ」を発揮できる時間マネジメントは親の役割