忙しい共働きママやパパが、限られた時間の中で、仕事や育児、家事などでパフォーマンスを上げるためには、その都度迷いながら対応したり、ただがむしゃらに頑張ったりするのではなく、古くから知られてきた普遍の法則や考え方、フレームワークを理解し、応用することが一番の近道かもしれません。そこで、経済学やビジネス界の最前線で活躍する識者たちに、共働きママやパパにおすすめのビジネス法則やフレームワークと、その応用法について聞きました。

こんな方法論があることを、もっと早くに知っていれば

 活躍する識者たちに、共働き親の仕事や子育てにおけるさまざまな意思決定に役立つ法則やフレームワークをピックアップし、その意味や活用法を解説してもらう本特集。今回ご登場いただくのは、企業研修や人材育成コンサルティング事業を手掛ける清水久三子さんです。

 中学2年生の女の子のママでもある清水さんは、1998年にコンサルティング会社であるプライスウォーターハウスコンサルタント(現・IBM)に入社後、社内研修や書籍を通して経営学の理論について学び、それらを私生活においても実践してきたといいます。

 「コンサルタントになる前は、アパレル業界で仕事をしていましたが、仕事が壁にぶつかったときに、うまく問題解決ができず、もやもやし続けるということが少なくありませんでした。コンサルタントになってからビジネスの法則を学び、『こんな方法論があることをもっと早くから知っていれば、あの頃、あんなに苦労しなかったのに』と開眼。自分から法則や方法論を積極的に学ぶようになりました。また、それらが仕事以外でも応用できる便利なものだと気づいてからは、子育てなどでも活用してきました」

 清水さんが私生活でも使えると感じるビジネスの法則は50以上あるのだそう。その中から、子どもの勉強のサポート面などで役立つ6つの法則を厳選。前後編に分けて解説してもらいます。

前編で紹介する3つの法則と子育てにおける応用法 ●子どもに自発的な勉強を促す → アンダーマイニング効果 ●子どもの幸福度を高める → ピーク・エンドの法則 ●満足度を上げる、交渉力やプレゼン力を育てる → 勝者の呪縛
後編で紹介する3つの法則と子育てにおける応用法 ●学校や塾の先生と良好な関係を築く → ザイアンス効果(単純接触効果) ●中学受験や習い事を続けるか否かを適切に判断 → 一貫性の法則(一貫性の魔力) ●子どもを「キャパオーバー」から守る → パーキンソンの法則