忙しい共働きママやパパが、限られた時間の中で、仕事や育児、家事などでパフォーマンスを上げるためには、その都度迷いながら対応したり、ただがむしゃらに頑張ったりするのではなく、古くから知られてきた普遍の法則や考え方、フレームワークを理解し、応用することが一番の近道かもしれません。そこで、経済学やビジネス界の最前線で活躍する識者たちに、共働きママやパパにおすすめのビジネス法則やフレームワークと、その応用法について聞きました。

 学問やビジネスの世界で活躍する識者たちに、共働き親の仕事や子育てにおけるさまざまな意思決定に役立つ法則やフレームワークをピックアップし、その意味や活用法を解説してもらう本特集。今回ご登場いただくのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)クラウドサービスを手掛けるショーケースの代表取締役で、知的生産研究家の顔も持つ永田豊志さんです。

 自身も小3の男の子のパパでもある永田さん自身、仕事だけでなく私生活でもよく活用しているフレームワークがあるそう。長期的視野に立って教育方針を定めたり、塾や習い事を選んだりするためにも役立つという、3つのフレームワークについて、詳しく聞きました。

既に持っているものの価値を見直すことが重要

日経xwoman編集部(以下、――) 経営者・知的生産研究家の観点から、DUALの読者にぜひおすすめしたいと思う法則やフレームワークを教えてください。

永田豊志さん(以下、永田) 私自身が、仕事でも私生活においても重視し、読者の皆さんにもぜひおすすめしたいフレームワークは3つあります。1つ目は、「1:5の法則」です。この法則は、新規の顧客を開拓するコストは、既存の顧客の5倍かかるというもの。類似の法則として「5:25の法則」が知られており、これは、既存の顧客の解約や退会の割合を5%抑えられると、利益の25%が改善するという意味です。いずれの法則も、新しいことに挑戦することはビジネス上大事だけれど、既に持っているものの価値をどう見直すかが非常に重要であり、新規の展開を進めるよりも経済的な合理性も高いという意味になります。「1:5の法則」を子どもの学習で考えると、「既存の顧客」は「既に子ども自身が持っている強み」と置き換えられるでしょう。