忙しい共働きママやパパが、限られた時間の中で、仕事や育児、家事などでパフォーマンスを上げるためには、その都度迷いながら対応したり、ただがむしゃらに頑張ったりするのではなく、古くから知られてきた普遍の法則や考え方、フレームワークを理解し、応用することが一番の近道かもしれません。そこで、経済学やビジネス界の最前線で活躍する識者たちに、共働きママやパパにおすすめのビジネス法則やフレームワークと、その応用法について聞きました。

ビジネスの法則から、よりよい両立のヒントを見いだす

 皆さんは日々、仕事や子育てで細かい判断をしたり、方針を立てて実行したり、といったことをし続けているのではないでしょうか。特に子育てにおいては、しばしば予測不能な事態に直面し、その都度、家族で話し合ったり、ネットで調べたり、人に意見を求めたりして何とか対応している、という人も少なくないはずです。

 ですが、ものごとには普遍の真理があり、長い年月をかけて、人々の経験を踏まえて導き出された法則やフレームワークが存在します。そうしたものが頭の中にあれば、仕事だけでなく子育てにおいても、判断が楽になったり、正しい方向に方針を立てやすくなったりするはず。

 そこで、本特集では、経済学やビジネスの世界で活躍する識者たちに、共働き家庭に役立つ法則やフレームワークをピックアップし、その意味や活用法を解説してもらいます。最初にご登場いただくのは、明治大学政治経済学部准教授の飯田泰之さんです。

 「経済学に限らず、学問にはさまざまな『思考の型』が存在します。私たち学問の世界に身を置く者にとって身近なパレートの法則(2ページ目で解説)などは、これまでの過去のデータや事例などから人間の行動を一定程度説明することができると思われてきたからこそ、今も残っています。そのような法則から、ビジネスや生活における具体的なヒントを見いだすのは、面白い試みだと思います」

 子育て中の働くママ・パパは、仕事と家庭を両立するために効率を重視しがちです。しかし、「必ず成果を出さなければいけないと思うのではなく、『だいたい8割は役に立たないし、8割ぐらいは失敗する』というふうに、パレートの法則を応用して考えておくと、気持ちが楽になります」と飯田さんは言います。

 ただ、パレートの法則に関しては、「誤って解釈している人が多い」とのこと。正しく法則を理解し、私生活に応用するためには、どう捉えればいいのでしょうか。共働きママやパパが知っておくと役立つ、ほか2つの経済の法則とあわせて、詳しく紹介してもらいます。

写真はイメージです
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本記事で読める内容
・無駄な作業を無理やり省いてはいけないわけ
・「自分時給」を把握したほうがいい理由
・「何を外注すべきか」で迷った時の合理的な判断基準