ライフワークを見つけるには探究心が必要

 「ライフワークとライスワークという言葉があります。ライスワークは日々の糧を得るための仕事。ライフワークは、自分がやるべきだという使命感を感じたり、やりがいや充実が得られたりする仕事です。20世紀までは、多くの人がライスワークに従事している時代でした。自分がやりたいと思うライフワークだけで生活を成り立たせるのはとても困難なことだと考えられていました」

 「しかしこれからは、副業やフリーランスなど働き方が多様になり、様々な形でライフワークを実現しやすくなってきています。このような社会で自分のライフワークを見つけられるかどうか。それには探究心をいかに育むかが重要なポイントになります

 では、わが子がライフワークを見つける根底となる探究心を育むにはどうしたらよいのでしょうか。

探究心ある子を育てるには、親も自分の仕事に意義を見つけよう

 宝槻さんは「子どもを信頼し、期待できる親は、子どもの探究心を育てることができる」と話します。「親自身が自分の生き方に自信を持てないままでいると、それはそのまま子どもの将来への不安に置き換わります。もし現在親がそのような不安を持っているなら、一度立ち止まり、自分の仕事や人生を見つめ直してみるのはいかがでしょうか」

 今の仕事がライスワークだと感じているとしても、将来やりたいことに向けて勉強をしたり、副業でやりがいを感じられる仕事を経験してみたり、考えたりするだけでもよいのだそう。「親が自分の人生に達成感や自信を持っていれば、子どもの将来に対しても信頼し、期待できるようになるはずです」