ひろっしゅコーチの連載第3回をお届けします。前回に続き、テーマは怒りという感情をどうコントロールするか。子どもを愛している、かわいいと思っている、なのに怒ってしまう。怒りにまかせて子どもをしかることは、感情をぶつけていることと同じ、とひろっしゅコーチは言います。そして怒りは相手にぶつけることにより、大きな反発を招いてしまいます。では、どうすればいいのでしょう。ひろっしゅコーチが伝授する、とっておきの方法とは?

 こんにちは。ひろっしゅコーチこと山崎洋実(やまさきひろみ)です。

 可愛いはずの我が子に対してイライラしてしまう。一度怒りに火がつくとなかなか冷静になれず、ネチネチと子どもを責めてしまう。怒らないママになりたいのになれなくて自己嫌悪。それって私のこと?なんて、心当たりのあるママも多いのではないでしょうか。

 でも皆さんはなぜ子どもを怒ってしまうのでしょう。

「子どもをこれでもかと追い込んで泣かせたい」「コテンパンにやりこめてやりたい」なんて思って怒っているお母さんはいないはず。子どもに愛情があるから、怒ってしまうんですよね。

子育ては感情と感情のぶつかりあい

 子育て中は、特に感情と感情がぶつかりあうことの多い時期です。私たちの心の中には毎日いろいろな感情が生まれますが、ほかのどんな感情よりも「怒り」の感情は大きなエネルギーを持っています。怒りは瞬間的にパッと火がつき、そのまま一気に燃え上がってしまうので、自分ではコントロールしにくいもの。怒りのエネルギーに振り回されてばかりいると、とても消耗してしまうのです。

 前回もお伝えしましたが、「怒り」の裏側には必ず別の感情が隠れています。期待や不安、哀しみや心配、悔しさや焦りなど、自分の「怒り」の裏にある本当の気持ちは何でしょうか。「家族で過ごす休日を楽しみにしていたのに、兄弟喧嘩ばかりで残念だった」「喜ぶと思って新しいメニューに挑戦したのに、食べてくれなくて悲しかった」こんな風に、自分の本当の気持ちを言葉にする練習をしてみましょう。

怒りをぶつけると、跳ね返る

 怒りの感情は、例えるならゴムボールのようなもの。相手に投げつける力が強ければ強いほど、自分に大きく跳ね返ってきます。怒りがふくれ上がっているときにそのエネルギーのまま相手に感情をぶつけると、そこには「反発」が生まれるのです。

 私が高校生の頃のこと。家族が寝てしまった後に友人に呼び出されて、こっそり外出したことがありました。自宅のすぐそばでほんの15分ほど友人と立ち話をしてそっと帰宅すると、寝ていたはずの母が玄関で待っていたのです。私は「何時だと思ってるの!」と怒られるのを覚悟したのですが、母は一言「よかった、帰ってきて。お母さん心配したよ」と言いました。

 もしその時、母が怒りをぶつけていたら、私はきっと「うるさいな!関係ないでしょ!」などと反発していたと思います。素直に「心配かけてごめんね」と謝ることができたのは、母の愛情が伝わったからこそ。

 相手に気持ちを伝えたいなら、力任せに投げつけずそっと手渡してみましょう。ぶつけたら跳ね返ってくるボールも、そっと手渡せば受けとってもらえます。怒りの手前にある感情を丁寧に伝えることができたら、そこに込められた愛情も伝わるのです。

怒りの感情をコントロールしよう

 自分の感情は自分でコントロールできます。怒りの感情はパワーが強いので努力が必要な場面もありますが、怒りも自分でコントロールできるのです。

 例えば、怒りの感情は6秒ほどしか持続しないという説があります。怒りを感じたとき、まずは6秒数えてみてはどうでしょう。心の中でお気に入りの歌を歌ったり、くだらないフレーズを唱えてみたり、自分だけの「6秒の呪文」を用意しておくのもいいですね。

 相手が目の前にいるとどうしても冷静でいられないというときは、その場から離れるのも有効です。深呼吸をしたり手や顔を洗ったり水を一口飲んだり、気持ちを鎮める動作をするのも効果的。これはどんな相手にも有効なテクニックです。子どもに対するときだけでなく、夫婦間でも職場やママ友との関係の中でも、怒りを感じたときにはぜひ試してみてください。

感情はぶつけるものではなく、伝えるもの

 日々の暮らしの中で楽しかったこと、嬉しかったこと、感動したこと、悲しかったことなどいろいろな感情を味わってみましょう。どんな感情も、あなたの中に生まれた大切な感情。ポジティブなものはもちろん、怒りや嫉妬、憂鬱や不安などネガティブな感情も排除せず、感じたままに受け止めてみてください。

 自分の感情を丁寧に感じることができるようになると、相手の感情もわかるようになってきます。相手に怒りをぶつけられたときも「きっと寂しかったんだわ」「不安だったのね」と怒りの裏側の本当の気持ちを想像できるので、真正面から受け止めずにすっとかわすことができるのです。

 感情はぶつけるものではなく、伝えるもの。怒りの感情に振り回されず、本当の気持ちを伝え合うこと。それができるようになると、コミュニケーションはぐっと楽に、楽しくなりますよ。

山崎洋実
山崎洋実
コミュニケーションコーチ。1971年静岡県生まれ。大手英会話学校に勤務していた時代に、接客や人材育成の楽しさを知る。2000年にコーチングに出会う。出産後、身近なママ友に向けてはじめた講座「ママのイキイキ応援プログラム」(通称ママイキ)は常に笑いあり、涙ありの内容で、ママの心に響き、かつ本質を伝える講座として全国に知られるように。海外で講座を開くまでに広がっている。
http://www.fine-coaching.com