《DAY-3》 めざせ! 未来のエコリーダー!

自信をもって発表した、子どもたちのエコカレー

 最終日DAY-3は、もう1つの宿題である、家で作ったエコなカレーの発表から始まりました。

 「人前での発表が苦手」「キッチンを掃除しておけばよかった」子どももママもドキドキのプレゼンでしたが、それまでの学びを活かしたエコなカレーを、自信に満ちた表情でみんなに話していきました。

 「徒歩や自転車で買い物へ行く」「神奈川県産の材料を買うようにする」「有機野菜を皮を剥かないで利用する」「具材を小さく切る」「ヘタ部分を少なくし、余った部分はベジブロスに」「加熱時間が短い圧力鍋を使う」「米のとぎ汁を鍋洗い用に取っておく」「トレーについていたラップを敷いて肉を切る」

 今回の宿題で初めて包丁を持った子は、「怖かったけど、自分で作ったカレーはおいしかった」「兄弟やお父さんから、おいしいと言ってもらえてうれしかった!」と家族写真を映して発表していました。その日の会話は一段と盛り上がっていたことでしょう。

家庭で実践したカレーの工夫の中から、チームでイチ押しを選び、発表。
家庭で実践したカレーの工夫の中から、チームでイチ押しを選び、発表。

カレーづくりで知る、さらにその先の世界とのつながり

 たくさんの工夫が出たところで、もう一度、食卓と社会とのつながりを見直すワークショップに挑戦しました。題して「家から川崎市、日本、世界へ」。

 DAY-1のワークショップで書き出したカレーと世界とのつながりを元に、さらに「その先」をたどっていくというプログラムです。

 これまで川崎市や味の素、花王の取り組みを学び、体験したことで、DAY-1でたどったつながりよりもさらに数多く、また遠くまでたどることができました。例えば、「お米を洗ったらとぎ汁が出る」という “身近な発見”を口にする子。DAY-1では見落としていたことに、カレーをつくるという体験を通して気付いたようです。電気の流れについても、火力発電所にさかのぼるだけでなく、「火力発電所って何で動くの? 石油はどこから来ているの?」と、「その先」に関する質問が出ていました。

 同じプログラムに保護者も挑戦しました。

 「鶏肉は、どこから仕入れていますか? 市内に養鶏場はあったでしょうか?」「太陽光発電所や風力発電所は川崎市にありますが、どのくらいの量が家庭に来ているのでしょうか?」などなど、地元への関心が喚起されたようです。

保護者も2チームに分かれて「つながりの図」を書いてみます。最初は戸惑った様子。でもしだいに意見が飛び交うようになりました。
保護者も2チームに分かれて「つながりの図」を書いてみます。最初は戸惑った様子。でもしだいに意見が飛び交うようになりました。

 味の素の室俊幸さん、花王の藤井靖之さん、川崎市の喜多さんも、企業や市と世界とのつながりを、再度まとめて解説してくれました。

 私たちの暮らしが世界各地とのつながり抜きには成り立たないこと、だからこそ企業や自治体が地球の環境に負荷をかけないように、努力を続けていることが改めて分かりました。

世界のみんなが幸せにくらす目標、SDGsを学ぶ

 では、他の国の人たちは、どうやって環境を守っている?

 これについて、エクベリさんが説明してくれました。

 「2015年に、世界の人々が集まった国連の場で、“みんなで力を合わせてこういう社会をつくろうね”という、17個の目標を決めました。SDGsといいます。2030年、人口は今より13億人増えると考えられています。しかし世界の10人に3人が、きれいな水を得られていない。生きものの数も、この50年で半分に減ってしまいました。SDGsとは2030年までに、さまざまな問題をなくし、地球上の人も生きものもすべてが幸せに暮らしていくという目標です。問題を解決するための工夫や技術も、いろいろと登場しているんですよ」

これまでエコを学んできた子どもたちは、SDGsという難しい話題にも、興味を持って真剣に聞いていました。
これまでエコを学んできた子どもたちは、SDGsという難しい話題にも、興味を持って真剣に聞いていました。

 「それではみなさんは、どういう工夫があったら、自然に負担をかけずに人が暮らしていけるようになると思う?」

 エクベリさんから問題が出されました。

 これを受けて、子どもたちは再びグループワーク。工夫やアイデアを出し合います。

 「クルマの屋根にソーラーパネルをつけて、電気で走らせればいい」「できるだけ外で遊ぶ。クーラーも照明も使わずに済むから」「一軒家ではなく、みんなでマンションに住むといい」

 次に、自分たちのアイデアが、SDGsのどの目標に当てはまるのか考えました。例えば、「クルマの屋根にソーラーパネル」というアイデアは、SDGsのうちの「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」という目標の達成に役立ちそうです。

 当てはめることで、SDGsという世界の目標が自分たちにとって遠い話ではないこと、自分たちのアイデアやアクションが目標の達成に役立つ可能性があることを、まだぼんやりとではあるものの、感じ取ることができたようでした。

最後に子どもたち1人1人が、未来の自分にエールを贈りました。

3日間のプログラムと、約1か月間の環境日記の記入をやり遂げた子どもたち。「エコを続けます」と未来の自分へ約束する、頼もしい姿が見られました。
3日間のプログラムと、約1か月間の環境日記の記入をやり遂げた子どもたち。「エコを続けます」と未来の自分へ約束する、頼もしい姿が見られました。

たくさん学んで考えた子どもたちは、立派なエコリーダーに!

 エコと聞くと「めんどくさい」「ケチくさい」「お金がかかる」そんなイメージが、子どもたちにはあったかもしれません。

 でも、3日間を通してたくさんの人の努力を知り、自分で考え、実践して、緊張から笑顔に変わり、親子の会話が増えていく中で、子どもたちは立派なエコリーダーに成長したようです。

 「これからも続けていきたいです!」と、自信と笑顔に満ちあふれた子どもたち。見守る保護者も、「子どもの成長を実感しました」と笑顔がこぼれ、とてもほほえましかったです。

 川崎市環境局の若松秀樹さんから1人1人に修了証が渡され、3日間のすべてのプログラムが終了。暑い夏をがんばり抜いた晴れやかな笑顔が、記念写真に納められました。

がんばった子どもたち1人1人に、サポーターが声をかけました。「いっぱいアイデアを出してくれたね。ありがとう」。子どもたち以上に顔をほころばせる保護者の姿も。
がんばった子どもたち1人1人に、サポーターが声をかけました。「いっぱいアイデアを出してくれたね。ありがとう」。子どもたち以上に顔をほころばせる保護者の姿も。

(取材・文=長谷川亜弥子、写真=北山宏一)

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●2018年の夏休み親子チャレンジの様子がこちらでも紹介されています。
https://begoodcafe.com/news/challenge2018-report

長谷川 亜弥子
横須賀市在住
小6男子、小4女子、小1男子の母。
ノケジョ(農業系女子)出身のバックグラウンドを生かして、ママ目線、元研究者目線で情報を発信しています。