1mmの差が大きなエコに。花王川崎工場にはエコな工夫がいっぱい

 花王川崎工場にバスが到着すると、元気に降り立つ子どもたち。まずは同社サステナビリティ推進部の大鹿正人さんから、工場の紹介と、そこで取り組まれているエコについてのお話を聞きました。

 「花王には1000種類以上の商品があり、この川崎工場では、主に洗濯や住まいの洗剤、シャンプーやコンディショナーなどを製造しています。たとえば、この製品を入れる段ボールにも、保管する倉庫にも、洗剤などを入れる容器にも、さまざまなエコの工夫があります。それでは実際に工場で、そうした工夫を確認してみましょう」

 工場の中に入って行くと、衣料用柔軟剤『フレアフレグランス』や、衣料用液体洗剤『アタックNeo(ネオ)』の詰め替え用パックが製造されていました。

 そこでさっそく工夫を発見! 2種類の段ボールの見本が置かれています。大きさは同じで、違うのは厚みだけ。どちらも40枚ずつ重ねてあるそうです。

花王の商品は1000種類以上。1mmのエコの積み重ねが、どれほど大きなエコにつながるかがわかります。
花王の商品は1000種類以上。1mmのエコの積み重ねが、どれほど大きなエコにつながるかがわかります。

 「花王は、できあがった製品を入れる段ボールの厚さを5mmから4mmに変更しました。たった1mmの違いですが、40枚重ねただけでこれだけ差が出るのですから、花王全体で使われるものが集まると、どれほどになるか想像してみてください」と大鹿さん。「段ボールの輸送回数も20%削減でき、その分の二酸化炭素の排出量も減らせました」との説明に、みんな熱心に聞き入ります。

 さらに続けて、「もちろん段ボールをただ薄くするだけでは、中の製品が壊れてしまう心配があるので、カタチにも工夫がいります。中を仕切ったり、角を補強したり、製品によっては窓を開けたりして、中の製品を保護するのに十分な強度を保ったまま、使う段ボールの量を従来の約半分に減らしました」

 目の前の工程では、中身を注入して封をした詰め替え用パックを、機械が回転させて次つぎと横向きに寝かせていきます。そして横向きのまま段ボールへ。じつはここにもエコな工夫があるのだそうです。

詰め替え用パックを横に寝かせて箱詰めすることで、段ボール1箱にこれまでよりたくさん入れられるようになったそうです
詰め替え用パックを横に寝かせて箱詰めすることで、段ボール1箱にこれまでよりたくさん入れられるようになったそうです

 「液体の入ったパックを立たせた状態で箱詰めすると、パックの下のほうが膨らんでしまいますよね。でも寝かせるとパックが平らになって、段ボールにたくさん詰められますね。こうした工夫の積み重ねで、環境への負荷を減らしているんです」

 続いて、『ビオレU』などボディソープやシャンプーといった、肌や髪に直接使う製品をつくっている工場に移動。ここでは家庭向けの製品だけでなく、スポーツ施設やスーパー銭湯などで使われる、大容量の業務用製品もつくっています。そしてここにもエコな工夫が!

 「こうした業務用製品は、家庭用と比べて容器も大きいので、容器をつくってから空のまま工場に運ぶと、それだけで二酸化炭素の排出量がとても大きくなってしまいます。でも原料の状態で運び込むと、同じ量の容器の30分の1になるんです。そこで、容器からこの工場でつくっているんですよ」

 また、その容器自体の工夫もあるといいます。

 「改良を進め、以前のボトルに対して現在のボトルは、原料であるプラスチックの量が約半分になりました。

新しいボトルと古いボトルを持ち比べてみます。「全然違う! 新しいほうが軽い」と子どもたち
新しいボトルと古いボトルを持ち比べてみます。「全然違う! 新しいほうが軽い」と子どもたち

 また、現在はほとんどの家庭用製品で、詰め替え用製品を用意しています。詰め替え用パックは、プラスチックの使用量がボトルの15%で済むんですよ。資源の節約になりますね。加えて2010年から、ビオレの詰め替え用パックの高さを1㎝だけ小さくしました。これでダンボール箱の高さがちょっとだけ低くなり、トラックにたくさん積めるようになりました」

 結果、トラック輸送から排出される年間の二酸化炭素を1500tも削減できるといいます。

 「1mmや1cmの差なんて、大きな差じゃないんじゃないかと思っていたけれど、たくさん集まるとエコになると知った。それから、詰め替え用パックの詰め方しだいでエコになることもわかった。考えている人はすごいな」とは、ひろ子ちゃんの感想です。多くの子どもたちからも同様の声が聞かれました。

 工程の最後に、製品が詰められた段ボールが保管されている倉庫を見せてもらいました。8階建てのビルに相当する、完全無人化された自動倉庫です。柵の手すりにつかまり、頭を思いきりのけぞらせてもなかなか天井が見えないほどの広大さに、「うわ~…」と声をもらす子どもたち。

 大量の製品を見て、段ボールや容器の工夫の積み重ねの重要さをあらためて確認していました。

製品を詰めたダンボール箱はパレットという台に載せられ、8階建てのビルに匹敵するほど大きな自動倉庫に保管されます。倉庫内はすべて機械化され、完全に無人化することで、冷暖房に使うエネルギーも削減できます。これもエコ
製品を詰めたダンボール箱はパレットという台に載せられ、8階建てのビルに匹敵するほど大きな自動倉庫に保管されます。倉庫内はすべて機械化され、完全に無人化することで、冷暖房に使うエネルギーも削減できます。これもエコ

水資源を守る花王のエコとは

 見学後は、サステナビリティ推進部の藤井靖之さんのレクチャーと実験の時間です。

 「花王製品の7割以上、つまり700種類以上が、水と一緒に使われる製品です。だから花王は、いつもどうしたら水の使用量を減らせるかを考えています。そうしてできたのが、この少量でも汚れがよく落ち、すすぎも1回で済む新しい洗剤です」

 そこで実験です。2枚の布にボールペンで「×」を書き、1枚に今までの洗剤を、もう1枚に新しいタイプの洗剤を垂らします。それぞれを洗濯機のイメージの水の入った容器に入れて、同じ回数振ったところ――。

 新しい洗剤のほうが、明らかに「×」が薄くなっています。そして注目したいのが、泡切れ。新しい洗剤は、振るのをやめた途端、泡がスーッと消えていきます。

 「泡の消え方が全然違う。新しい洗剤は振ることをやめると泡がシューッと消えた。古いほうはいつまでも残っている」と、うたはちゃんが説明してくれます。

食器洗いや洗濯のときに使う水の量を減らすために、花王がつくり出した洗剤とは? みなで実験をして確かめました。「すごい!」「やったあ」あちこちで歓声が上がります
食器洗いや洗濯のときに使う水の量を減らすために、花王がつくり出した洗剤とは? みなで実験をして確かめました。「すごい!」「やったあ」あちこちで歓声が上がります

 「新しい洗剤は汚れ落ちがいいうえ、泡切れもいいので、すすぎが1回で済むんです。すすぎを1回にすると、1軒のお宅で1年間にお風呂28杯分、2ℓのペットボトルで2737.5本分の節水ができる計算です」

 花王ではこの洗剤を開発するために、8年分の洗剤の成分の実験データをすべて見直し、実験を繰り返したそうです。それを「洗剤をつくる会社のエコチャレンジ」と言う藤井さん。さらに「そこで…」と続けます。

 「でも消費者のみなさんが“念のために”と2回すすぎをしたら、それはエコではなくなります。だから、きちんと製品の性質を理解して、正しく使ってほしいんです」

 大きくうなずく保護者の姿が見られました。

 盛りだくさんのプログラムの1日を通し、「いろんな体験ができて面白かった」と、ののちゃん。「気づかないところで、いろいろな工夫をして製品がつくられているんだと分かった」と話します。

 味の素と花王で見せてもらった、工場の人たちの努力。企業の人たちの想い。消費者という立場から、家庭でもできることを考えなくては…。大切なメッセージを子どもたちも保護者もみんなで受け取った気がしました。

 2回目が終わり、すっかりうちとけて、笑顔が増えた子どもたち。環境日記もどんどん充実してきました。次回DAY-3の8月26日は、いよいよ最終回です。家から川崎市、日本、そして世界へと広がる命とエコのつながり。最後に子どもたちの胸には何が残り、どんな思いが宿るでしょうか。楽しみですね。

味の素「エコうまレシピ」
https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/corner/ecouma/top

花王「あわあわ手洗いのうた」
http://www.kao.co.jp/bioreu/hand/song/

7月22日と8月9日の夏休み親子チャレンジの様子がこちらでも紹介されています。
http://begoodcafe.com/news/challenge2017/