製品をつくるだけじゃない、排水にも配慮する味の素川崎工場の取り組み

続いて、環境への取り組みを行う別棟へ移動。原動課の西村耕一さんが、まずは排水処理について説明してくれました。
「この工場からでる排水は1日4200㎥。私たちは水中の汚れ成分の量を、国の法律で定められた基準の15分の1から50分の1まで減らしています。食品を作っているゆえに窒素分の多い排水を、2段階にわたって微生物の力を借りてキレイにしていきます。汚れ成分を食べて増えた微生物は自分の重さで沈み、上澄み水と分かれていきます。上澄み水は透明で少し色が付いています。これをもう一段階処理をして、色を取り除いていきます」

屋内での実験のあと、排水処理施設の屋上から、実際に水がきれいになっていく様子をのぞき込ませてもらって子どもたちは大興奮。でもそれだけでは終わりません。「排水から分離した汚泥、つまり微生物は、植物を育てる窒素やリンを含んでいるため、乾燥させて肥料にします。だから、この工場ではごみが出ないんです」
そこには育ち具合の異なるサンチュを植えた鉢が。
なるほど、通常の土に2%、4%と汚泥でつくった肥料を混ぜる割合が高いサンチュほどよく育っているのです。再資源化100%の取り組みはごみを出さないだけでなく、次の命を生み出すサイクルにつなげられていました。

工場内で使う電気と熱をすべてまかなう発電施設も見学し、エネルギーも地産地消していることに、子どもたちだけでなく保護者も驚いたり、感心したり。
「昔に比べ多摩川がきれいになったのは、流域の企業や市民が努力を続けたからだと実感できました」との言葉が聞かれました。
「おいしいエコ」、みんなのおうちですぐできます
お腹がぺこぺこになった子どもたち。花王の「あわあわ手洗いのうた」で洗い方のポイントを確認してから、しっかり手を洗ったあとは、お待ちかねのランチタイムです。
旬の野菜をおいしく食べる「冷やしだしトマト」やとん汁、冷蔵庫の野菜をムダなく使い切る「簡単☆ピクルス」、「お肉やわらかの素」で食べやすくしたやわらか鶏むねステーキ、レンチンで簡単に作れるポテトサラダや、枝豆を混ぜ込んだアレンジ「ほんだし」おにぎり。
どれもぱくぱく食べる子どもたちのお腹の中へ、あっという間に消えていきます。そう、残さず食べることも大切なエコ。手軽においしく季節の食材を使いきる「エコうま」ランチのお品書きに、ひとつひとつのレシピが添えられているのも保護者にはうれしいところ。「参考になる!」と好評でした。


食事の後半では、花王コーポレートコミュニケーション部門の佐野洋子さんが、エコな食器の洗い方を教えてくれました。
「汚れたお皿は重ねずに運び、油汚れは古紙などでぬぐってから洗いましょう。洗剤も使い過ぎないこと。また、すすぐときの水は鉛筆くらいの太さで十分です」
家庭ですぐに役立つこの洗い方のコツは、水を大切にする花王が、みなさんに心がけてほしいことでもあります。さあ次は花王の川崎工場です!