料理家のうすいはなこさんが東京西荻窪にある松庵文庫で行った「うすいはなこさんの日本料理教室×ZWILLING」を取材。包丁使いの基本とアジの3枚おろしのやり方を前後編でお届けします。(取材・文/工藤千秋 写真提供/デニオ総合研究所)

包丁の基本をマスターすれば、料理がぐんと楽しくなる

自己流になりがちな包丁の使い方を教えてもらえるとあって、参加者のみなさんも熱心にうすいさんの説明を聞いています
自己流になりがちな包丁の使い方を教えてもらえるとあって、参加者のみなさんも熱心にうすいさんの説明を聞いています
東京・西荻窪にある古民家カフェ「松庵文庫」。和やかな雰囲気で料理教室のイベントが行われました
東京・西荻窪にある古民家カフェ「松庵文庫」。和やかな雰囲気で料理教室のイベントが行われました

 普段、自己流で何気なく使っている包丁ですが、正しい基本をマスターするだけで、料理の手際がぐっとよくなります。

 日本料理店での修行経験もある料理家うすいはなこさんは、包丁の使い方の基本について、次のように教えてくれました。

 「包丁の使い方は、肉でも魚でも野菜でも基本は同じです。魚がうまく切れないという人は、野菜もつながって切れていたりして、上手に包丁を使いこなせていないもの。まずは、キッチンに立つときの正しい姿勢と包丁の持ち方を確認してみましょう。まな板に対して体は少し斜めに開き、ひじから包丁までがまな板に直角になるように立つのが基本姿勢。包丁の刃の根元に近いところをしっかり持って、前後にスライドさせるように切るのが基本です」

 包丁を正しく使いこなすためのポイントを以下にまとめましたので、確認してみましょう。

うすいさんがアドバイス「包丁使いの基本」

① 21㎝サイズの包丁とペティナイフ1本を使いこなす
まずは、普段使いに重宝する21㎝サイズの包丁とペティナイフの2本をそろえるのが基本。「いい包丁」といわれるものは、ある程度重さのあるものが多いですが、家庭で使うには重すぎて使いにくい場合も。実際に持ってみて、重すぎず手になじみやすいものを選びましょう。

② 包丁を使うときは、まな板に対してひじから包丁が直角になるように。
包丁を使うときは、姿勢が肝心。まな板に対して平行に立ち、きき足を一歩後ろへずらし、体を斜めに開きます。そうすると、ひじから包丁がまっすぐとのび、まな板に対して直角になる姿勢がキープできるはず。体全体がまな板に対して平行のままだと、ひじから先が斜めになってしまいます。まな板に平行に置いた食材に対して、包丁が直角にまっすぐ入る姿勢を意識しましょう。

包丁は刃の根元に近い部分の柄をしっかり持って
包丁は刃の根元に近い部分の柄をしっかり持って

③ 包丁が安定するように、できるだけ刃の根元に近い部分の柄をしっかり持つ。
包丁をしっかり持つには、刃の根元に近い部分をしっかり持つことが肝心です。魚をさばくときなどは、写真のように刃の背の部分に人差し指を添えることもあります。柄の真ん中あたりを持って作業をすると、包丁の刃がふらつきがちになってしまいます。

④包丁で切るときは「引き切り」が鉄則。食材を押しつけたり、のこぎりのように使うのはNG。
包丁は奥から手前(もしくは手前から奥)へ前後にスライドするように使うと、力を入れなくてもすっときれいに切れます。キャベツの千切りなどで下の部分がつながってしまうのは、上から押し付けるようにして切っているから。肉や魚など厚みのあるものを切るときに、包丁をギザギザとのこぎりのように使うのもNGです。

⑤使い終わったらすぐに水気を拭き取る。
包丁の切れ味を保つには、水気をそのままにしないこと。使う度にこまめにふきんで水気を拭き取ります。使い終わって洗った後も自然乾燥ではなく、必ずすぐに水気を拭き取ってしまうようにしましょう。

⑥年に1回~数回は専門店で研いでもらう。
切れ味が悪くなったなと感じたら、砥石で研ぐのが一番ですが、なかなか研ぐのは難しいという人も少なくないはず。そういうときは、普段は手軽なシャープナーなどでお手入れし、切れ味を保つようにしましょう。ただし、最低でも年に1度、できればシャープナーを使っても切れ味がいまいちよくないと感じるようになったら、プロに研いでもらうのがおすすめ。ホームセンターや百貨店、包丁を取り扱っているお店などで、研いでもらえるところがあります。

 次回はいよいよアジの3枚おろしとそれを使ったレシピを紹介します。お楽しみに!

うすい・はなこ
うすい・はなこ
食卓をつなぐ会代表、H-table料理教室代表。 空間デザイナーを経て、日本料理店で修行を積んだ後、自宅で料理教室を開く。食と日本の行事をつなぐ活動をしながら、雑誌やWEB、イベントなどで活躍。
https://www.facebook.com/htable.hana
取材協力
ZWILLING J.A. HENCKELS JAPAN www.zwilling.jp
松庵文庫 http://shouanbunko.com/