大人気のひろっしゅコーチの子育て講座もついに7回目を迎えました。今回のテーマは「承認」です。承認とは、相手のありののままを受け入れること、とひろっしゅさんは言います。けれど、子どもの成長を願うがゆえに、どうしても“できないところ”に目が行きがちというママも多いのではないでしょうか。果たして、それは子どもの成長にとって、プラスでしょうか。子どもの成長にどう向き合うべきか、今回も大切なヒントが見えてきそうです。(エコマム編集部)

 こんにちは。ひろっしゅコーチこと山崎洋実(やまさきひろみ)です。

 今回は、「承認」についてのお話です。「承認」とはコーチングのスキルのひとつで、相手の変化や成長を認め、それを言葉にして相手に伝えること。「認める」の語源は、「見、留める(止める)」であるとも言われます。褒めたり叱ったりと自分の価値観で評価をするのではなく、まずは相手のありのままを受け入れることが、「承認」です。

 私の講座「ママのイキイキ応援プログラム(ママイキ)」は全5回の連続講座ですが、5回のうち2回分をつかって、この「承認」についてお話しします。私はこの「承認」をそれくらい大切に考えているのです。

結果承認と経過承認

 我が子の成長は、親としてとても嬉しいものですね。「這えば立て、立てば歩めの親心」なんて言葉もありますが、新しく何かができるようになったり、勉強やスポーツでいい成績を収めたりしたときは、誇らしい気持ちで我が子のことをたくさん褒めてあげられますよね。

 でもその反面、周りのお友達と比べて我が子の劣っているところが気になってしまうこともあります。「Aくんはサッカーが上手で試合でもいつも活躍してるのに、それに比べてうちの子は…」「Bくんはいつもテストで高得点を取ってるのに、うちの子は全然ダメだわ」なんて、落ち込むこともあるかもしれません。

 物事の結果や成果を基準にして相手を褒めたり叱ったりすることを「結果承認」といいます。テストの点数や試合の勝敗などで優劣をつけて周りの誰かと比較したり、「できた、できない」と一喜一憂する子育てはしんどいものです。

 それに対して、結果に至るまでの経過(プロセス)を評価することを「経過承認」といいます。結果がよくても悪くても、そこに至るまでの過程の中にある成長や変化に気付くこと。その子自身の過去と比べて成長したところに目を向けること。それが経過承認です。

 「前回のテストで間違えた問題、今回はちゃんと解けたね」「サッカーの練習、休まずに通っているね」など、頑張っているところを見・留めて、「ちゃんと気付いているよ」と伝えてあげればいいのです。

どこを見・留めて、どこを褒めるのか

 私には中学生の息子がいます。学校の定期テストで息子は「今回は頑張る」と自分で決めてコツコツと勉強をしました。そして入学してから一番いい成績を収めることができました。多くのお父さん・お母さんはそういうとき、成績がよかったこと(結果)を褒めます。でも私はその時、息子が自分で決めたことを最後まで頑張り通したことを褒めました。

 点数や順位などで判断する「結果承認」は、学校や習い事などでいろいろな人がしてくれます。でも「経過承認」は、親にしかできないこと。どんなに頑張っても、残念ながら結果が伴わないことはあります。でも頑張る過程の中にこそ、成長があるはずです。

 できなかった、ダメだったという結果だけでなく、そこに至るまでの道のりの中で「あれはできた」「ここはよかった」とマルをつけてあげられるポイントが必ずあるはず。毎日一緒にいる我が子の成長は意識しないと見えにくいものですが、その成長のプロセスに目を向けることこそが、子育ての面白さであり醍醐味ではないでしょうか。

究極の承認は「存在承認」

 「承認」の中で一番重要なのは「存在承認」です。「あなたがいてくれて嬉しい」「あなたのことを気にかけていますよ」というメッセージを伝えることが「存在承認」です。無理に相手を褒めなくてもいいのです。相手のありのままを「見・留める」こと、それが「存在承認」なのです。

 子育てにおいては、「どんなあなたでも大丈夫。成績が良くても悪くても、スポーツができてもできなくても、ありのままのあなたをお母さんもお父さんも大好きだよ」というメッセージが「存在承認」です。存在そのものを受け入れられた子どもは、自己肯定感を育んでいけるのです。

 「すごいね」「えらいね」「さすが」などの言葉を使わずに、ありのままの子どもの姿を見・留めてそれを伝える練習をしてみてください。評価を加えず、事実をそのまま見・留めることは、簡単なようでいて実はとても難しいことなんですよ。

自分のことも「承認」してあげる

 そして最後に、子どもだけではなくぜひ自分自身に対しても「結果承認」「存在承認」してあげてください。家事や育児はすぐには結果が出ませんし、ゴールが見えないのでストレスがたまります。自分の都合だけでは動けませんし、しかも、100点満点を取るのはとても難しい。

 だから、どんな小さなことでもいいのです。「最近さぼっていたけど、今日は掃除機をかけた」「雨が降っていて面倒だったけど、子どもを抱っこしてスーパーに行った」なんて、頑張った自分を見留めてマルをあげましょう。自分にたくさんマルをあげられたら、また、頑張る力がわいてきますよ。

山崎洋実
山崎洋実
1971年静岡生まれ。
旅行代理店、大手英会話学校勤務時代を通して接客&人材育成の楽しさを知る。結婚退職後コーチングに出会い、これまでやってきた事がコーチングだったことを知り体系的に学ぶ。その後妊娠出産、3年間の専業主婦生活を経て、身近なママ友達向けに講座をスタートした。
ママの特徴に合わせ、豊富な事例を用いて体系的に伝える講座が、ママ達の間で『目からウロコ』で『子育てが楽しくなる』 『参加しただけで元気になれる』と評判に。クチコミとリピーターで活動が広がり、瞬く間に首都圏から関東、全国へと飛び火。
日本で唯一の“ママ達の元気と輝きを引き出すコーチング講師”として、多くのママから「ひろっしゅコーチ」という愛称で慕われている。
ママ友トラブルやママカーストなどの事例をよく知る専門家としてメディア出演も多数。
http://www.fine-coaching.com